電信法(明治33年法律第59号)

解説

本法令は明治33年から昭和28年までの間に施行された、電気通信に関する基本法です。現在の電気通信事業法・有線電気通信法から見て、直系の祖先に当たります。(電信法→公衆電気通信法・有線電気通信法→電気通信事業法)

これ以前は、伝信機の布告(明治2年)日本帝国電信条例(明治7年)、電信条例(明治18年)が代表的な法令です。

無線通信分野については、当初のうち本法の大部分を使い回す準用をしていましたが、大正4年に無線電信法が制定されて独立。その他には電信線電話線建設条例(明治23年)と軍事用の特別立法(軍用電信法→軍用電気通信法)がありました。

本ページでは現代で使われている汎用的な新字体の漢字に置換したものと、官報・法令全書に使われていた旧字体に極力近づけたものの両方を併記してみました。

○電信法(明治33年制定時/新字体版)

朕帝国議会ノ協賛ヲ経タル電信法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名 御璽

明治三十三年三月十三日

内閣総理大臣 侯爵 山縣有朋

逓信大臣 子爵 芳川顕正

法律第五十九号
電信法
  1. 第一条
    1. 電信及電話ハ政府之ヲ管掌ス
  2. 第二条
    1. 左ニ掲クル電信又ハ電話ハ命令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ私設スルコトヲ得
      1.  一邸宅内若ハ一構内ニ於テ専用ニ供スル為施設スルモノ
      2.  鉄道業其ノ他電信電話ノ専用ヲ必要トスル事業ノ為施設スルモノ
      3.  公共団体ノ事務執行ノ為一市区町村内若ハ隣接市区町村間ニ於テ公署相互間又ハ一郡市区内ニ於テ公署ト第一次監督官庁トノ間ニ施設スルモノ
      4.  電報送受ノ目的ヲ以テ一人ノ専用ニ供スル為電信官署トノ間ニ施設スルモノ
      5.  一市区町村内若ハ隣接市区町村間ニ於テ又ハ電信電話ノ連絡ナク且第四号ニ依ルヲ不適当トスル市区町村間ニ於テ一人又ハ一営業ノ専用ニ供スル為施設スルモノ
  3. 第三条
    1. 主務大臣ハ命令ノ定ムル所ニ依リ前条ニ依リ施設シタル電信又ハ電話ヲ公衆通信又ハ軍事上必要ナル通信ノ用ニ供セシムルコトヲ得
    2. 前項ノ場合ニ於テ必要ト認ムルトキハ主務大臣ハ吏員ヲ派遣シテ其ノ取扱ヲ為サシムルコトヲ得
  4. 第四条
    1. 主務大臣ハ公安ノ為必要ト認ムルトキハ区域ヲ定メ電信又ハ電話ニ依ル通信ヲ停止若ハ制限スルコトヲ得
  5. 第五条
    1. 電信又ハ電話ニ依ル通信ニシテ公安ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊乱スルモノト認ムルトキハ主務大臣ノ指定シタル電信官署又ハ電話官署ニ於テ之ヲ停止スルコトヲ得
  6. 第六条
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配達人及配達用車馬等ハ道路ニ障碍アリテ通行シ難キ場合ニ於テ墻壁又ハ欄柵ナキ宅地田畑其ノ他ノ場所ヲ通行スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ政府ハ被害者ノ請求ニ因リ其ノ損害ノ賠償ヲ為スヘシ
  7. 第七条
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配達人及配達用舟車馬等事故ニ遭遇シタル場合ニ於テ電信又ハ電話ノ工夫配達人若ハ吏員ヨリ助力ヲ求メラレタル者ハ正ナ事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス此ノ場合ニ於テハ政府ハ助力者ノ請求ニ因リ相当ノ報酬ヲ為スヘシ
  8. 第八条
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配達人及配達用舟車馬等ニ対シテハ渡津、運河、道路、橋梁其ノ他ノ場所ニ於ケル通行銭ヲ請求スルコトヲ得ス
    2. 前項ノ工夫及配達人ハ何時ニテモ渡津ノ出船ヲ求ムルコトヲ得
  9. 第九条
    1. 政府ハ電信又ハ電話ノ用ニ供スル為鉄道用地及停車場建物ノ一部ヲ使用シ必要アルトキハ建物ノ建築又ハ改築ヲ命スルコトヲ得
    2. 前項ノ場合ニ於テ土地建物ノ使用料及建築改築ノ費用ハ請求ニ因リ政府之ヲ支給ス
  10. 第十条
    1. 政府カ鉄道用地内ニ電信線又ハ電話線ヲ施設シタルトキハ使用料ヲ支給セス
  11. 第十一条
    1. 電信若ハ電話専用ノ物件又ハ現ニ其ノ用ニ供スル物件ハ之ヲ差押フルコトヲ得ス
    2. 前項専用ノ物件ハ何等ノ賦課ヲ受クルコトナシ
  12. 第十二条
    1. 電信又ハ電話取扱ニ関シ電信官署又ハ電話官署ニ対シテ無能力者ノ為シタル行為ハ能力者ノ為シタルモノト看做ス
  13. 第十三条
    1. 電報ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外其ノ宛所ニ配達ス
  14. 第十四条
    1. 電報ハ命令ヲ以テ定ムル場合ニ限リ発信人ノ請求ニ因リ其ノ送達ヲ停止スルコトヲ得
  15. 第十五条
    1. 宛所ニ配達シ又ハ受信人ニ交付シ得サル電報ハ之ヲ公示ス其ノ公示ノ日ヨリ三十日間ニ交付ノ請求ナキトキハ之ヲ棄却ス
  16. 第十六条
    1. 電信官署ニ於テ必要ト認ムルトキハ発信人ニ対シ其ノ電報ニ用ヰタル秘辞隠語ノ説明ヲ求ムルコトヲ得発信人若其ノ説明ヲ拒ミタルトキハ其ノ電報ノ取扱ヲ拒絶ス
  17. 第十七条
    1. 電信又ハ電話ニ関スル料金及電信又ハ電話ニ依ル通信ノ取扱ニ必要ナル制限ハ命令ノ定ムル所ニ依ル
  18. 第十八条
    1. 電信又ハ電話ニ關スル既納及過納ノ料金ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ還付セス
  19. 第十九条
    1. 発信人ニ於テ前納スヘキ電信ニ関スル料金ニ不足アルトキハ発信人ヨリ其ノ不足額ノ二倍ノ料金ヲ徴収ス
  20. 第二十条
    1. 電信又ハ電話ニ関スル料金納付ノ義務ハ其ノ納付スヘキ日ヨリ六箇月内ニ納付ノ告知ヲ受ケサルニ因リテ消滅ス
  21. 第二十一条
    1. 電信又ハ電話ニ関スル料金ノ不納金額ハ電信官署又ハ電話官署ニ於テ国税滞納処分ノ例ニ依リ之ヲ徴収ス
    2. 前項ノ不納金額ニ付電信官署又ハ電話官署ハ国税ニ次キ先取特権ヲ有ス
  22. 第二十二条
    1. 電信又ハ電話ニ依ル通信ニシテ電信、電話及郵便、郵便為替、郵便貯金ノ事務又ハ気象報告ニ関スルモノハ命令ノ定ムル所ニ依リ無料ト為スコトヲ得
  23. 第二十三条
    1. 電信又ハ電話ニ関スル料金ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外郵便切手ヲ以テ納付スヘシ
  24. 第二十四条
    1. 電信又ハ電話ノ取扱ニ関シテハ政府ハ損害賠償ノ責ニ任セス
  25. 第二十五条
    1. 本法ニ依ル損害賠償又ハ報酬ノ請求権ハ主務大臣ノ指定シタル電信官署又ハ電話官署ニ対シ其ノ事実アリタル日ヨリ三箇月間之ヲ行ハサルニ因リテ消滅ス
  26. 第二十六条
    1. 電信官署若ハ電話官署ノ賠償又ハ報酬ニ関スル決定ニ対シ不服アル者ハ其ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三箇月以内ニ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
  27. 第二十七条
    1. 権利ナクシテ電信若ハ電話ヲ私設シタル者又ハ権利ヲ失ヒタル後主務官署ノ指定シタル期間内ニ私設ノ電信若ハ電話ヲ撤去セサル者ハ五円以上百円以下ノ罰金ニ処シ其ノ電信線又ハ電話線及電信又ハ電話ノ機器ヲ没収ス
    2. 前項ノ場合ニ於テ其ノ電信又ハ電話ヲ他人ノ用ニ供シ因テ金銭物品ヲ収得シタルトキハ之ヲ没収ス既ニ消費又ハ譲渡シタルトキハ其ノ金額又ハ代価徴ス
    3. 第一項ノ電信又ハ電話ヲ使用シタル者ハ五十円以下ノ罰金ニ処ス
  28. 第二十八条
    1. 第三条第一項ニ依ル場合ヲ除クノ外私設ノ電信若ハ電話ヲ他人ノ用ニ供シタル者又ハ其ノ私設者ニアラスシテ之ヲ使用シタル者ハ五十円以下ノ罰金ニ処ス
    2. 前項ノ場合ニ於テ金銭物品ヲ収得シタルトキハ之ヲ没収ス既ニ消費又ハ譲渡シタルトキハ其ノ金額又ハ代価ヲ追徴ス
  29. 第二十九条
    1. 第三条第一項ノ場合ニ於テ正当ノ事由ナクシテ電信若ハ電話ノ供用ヲ拒ミ又ハ第九条第一項ノ場合ニ於テ正当ノ事由ナクシテ用地、建物ノ使用ヲ拒ミ若ハ建物ノ建築改築ヲ為ササル者ハ五円以上五百円以下ノ罰金ニ処ス
  30. 第三十条
    1. 第六条ノ場合ニ於テ通行ヲ拒ミ又ハ第七条ノ場合ニ於テ正当ノ事由ナクシテ助力ヲ拒ミ又ハ第八条ノ場合ニ於テ通行銭ヲ強要シ若ハ正当ノ理由ナクシテ渡津ノ出船ヲ拒ミタル者ハ科料ニ処ス
  31. 第三十一条
    1. 電信官署又ハ電話官署ノ取扱中ニ係ル通信ノ秘密ヲ侵シタル者ハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ従事スル者前項ノ所為アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
    3. 本条ノ罪ハ被害者ノ告訴ヲ待テ之ヲ論ス
  32. 第三十二条
    1. 不正ノ手段ヲ以テ電信又ハ電話ニ関スル料金ヲ免レ又ハ免レムトシタル者ハ百円以下ノ罰金ニ処ス
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ従事スル者前項ノ所為アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  33. 第三十三条
    1. 自己若ハ他人ニ利益ヲ与ヘ又ハ他人ニ損害ヲ加フル目的ヲ以テ虚偽ノ電報ヲ発シタル者ハ一月以上五年以下ノ重禁錮ニ處処シ五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 前項ノ場合ニ於テ電信為替ニ要スヘキ電報ニ係ルトキハ軽懲役ニ処ス
    3. 電信事務ニ従事スル者前二項ノ所為アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  34. 第三十四条
    1. 電信又ハ電話ノ事務ニ従事スル者電信官署又ハ電話官署ノ取扱中ニ係ル電信又ハ電話ノ用紙ニ貼用シタル郵便切手ヲ剥脱シタルトキハ三円以上三十円以下ノ罰金ニ處処ス其ノ未タ消印ヲ為ササルモノニ関シテハ刑法窃盗ノ罪ニ照シテ処断ス
  35. 第三十五条
    1. 電信官署ノ取扱中ニ係ル電報ヲ正当ノ事由ナクシテ開披、毀損、隠匿若ハ放棄シタル者又ハ受取人ニ非サル者ニ交付シ若ハ情ヲ知リテ之ヲ受取リタル者又ハ其ノ伝送配達ヲ妨害シタル者ハ一月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 電信事務ニ従事スル者前項ノ所為アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  36. 第三十六条
    1. 電信若ハ電話ノ事務ニ従事スル者正当ノ事由ナクシテ其ノ通信ノ取扱ヲ拒絶シ又ハ其ノ伝送ヲ遅延セシメタルトキハ四円以上四十円以下ノ罰金ニ處ス
  37. 第三十七条
    1. 電信線又ハ電話線其ノ他電信又ハ電話ノ機器建造物ヲ毀損シ若ハ通信ヲ障碍シタル者ハ一月以上五年以下ノ重禁錮ニ処シ五十円以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 過失ニ因リ通信ヲ障碍シタル者ハ五十円以下ノ罰金ニ処ス
  38. 第三十八条
    1. 電信線若ハ電話線ノ建築修理又ハ線路ノ巡視測量ヲ妨害シタル者ハ一月以上二年以下ノ重禁錮ニ処シ二十円以下ノ罰金ヲ附加ス
  39. 第三十九条
    1. 電信、電話ノ線条若ハ其ノ支持物ニ物品ヲ懸ケ若ハ擲チ又ハ之ニ動物若ハ舟筏ヲ繋キ又ハ之ヲ汚穢シタル者ハ科料ニ処ス
    2. 電信又ハ電話線路ノ測量標ヲ毀棄汚穢シタル者亦同シ
  40. 第四十条
    1. 主務官署ノ指定シタル水底電信線路若ハ水底電話線路ノ区域内ニ於テ船舶ヲ繋留シ又ハ漁業採藻ヲ為シ若ハ土砂ヲ掘鑿シ又ハ水底電信線若ハ水底電話線ノ号標ニ舟筏ヲ繋キ又ハ其ノ号標ヲ毀棄シタル者ハ五円以上百円以下ノ罰金ニ処ス
    2. 水底電信線若ハ水底電話線ノ布設若ハ修理ノ為其ノ位置ヲ示スヘキ浮標又ハ其ノ布設若ハ修理ニ従事スル船舶ヨリ主務官署ノ指定シタル距離以内ニ於テ前項ノ所為ヲ為シ若ハ航行シタル者亦同シ
  41. 第四十一条
    1. 第三十二条ヲ除クノ外前数条ニ記載シタル軽罪ヲ犯サムトシテ未タ遂ケサル者ハ刑法未遂犯罪ノ例ニ照シテ処断ス
  42. 第四十二条
    1. 法人ノ業務ニ関シ其ノ代表者又ハ雇人其ノ他ノ従業者前数条ノ罪ヲ犯シタルトキハ其ノ罰則ヲ法人ニ適用ス但シ罰金科料以外ノ刑ニ処スヘキ場合ニ於テハ法人ヲ三百円以下ノ罰金ニ処ス
    2. 法人ヲ処罰スヘキ場合ニ於テハ法人ノ代表者ヲ以テ被告人トス
    3. 法人ヲ処罰スルノ裁判確定シタル日ヨリ罰金ニ関シテハ一月以内科料ニ関シテハ十日以内ニ之ヲ納完セサルトキハ民事訴訟法第六編ノ規定ニ従ヒテ其ノ執行ヲ為ス此ノ場合ニ於テハ検事ノ命令ヲ以テ執行力ヲ有スル債務名義ト同一ノ効力アルモノトス
    4. 前項ニ依リ執行ヲ為スニハ執行前裁判ノ送達ヲ為スコトヲ要セス
  43. 第四十三条
    1. 公衆通信又ハ第三条第一項ニ依リ現ニ軍事通信ノ用ニ供スル私設ノ電信又ハ電話ニ関シテハ第九条ヲ除クノ外本法中政府ノ施設ニ係ル電信又ハ電話ニ関スル規定ヲ準用ス
  44. 第四十四条
    1. 電信又ハ電話ニ非スト雖通報信号ヲ為スモノニ関シテハ命令ノ定ムル所ニ依リ本法ノ規定ヲ準用スルコトヲ得
  45. 第四十五条
    1. 帝国外国間ニ於ケル電信ニ関シ別ニ法令条約又ハ特許ノ条款ニ明文アルモノハ各其ノ定ムル所ニ依ル
  46. 附則
  47. 第四十六条
    1. 本法ハ明治三十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
    2. 電信条例ハ之ヲ廃止ス
  48. 第四十七条
    1. 本法施行前電信条例ニ依リ電信又ハ電話私設ノ許可ヲ得タル者ハ命令ノ定ムル所ニ依リ更ニ許可ノ申請ヲ為スコトヲ要ス

○電信法(明治33年制定時/旧字体版)

朕帝國議會ノ協賛ヲ經タル電信法ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名 御璽

明治三十三年三月十三日

閣總理大臣 侯爵󠄂 山縣有朋󠄁

信大臣 子爵󠄂 芳川顕正

法律第五十九號
電信法
  1. 第一條
    1. 電信及電話ハ政府之ヲ管掌ス
  2. 第二條
    1. 左ニ揭クル電信又ハ電話ハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ之ヲ私設スルコトヲ得
      1.  一邸宅內若ハ一構內ニ於テ專用ニ供スル爲施設スルモノ
      2.  鐵道󠄁業其ノ他電信電話ノ專用ヲ必要トスル事業ノ爲施設スルモノ
      3.  公共團ノ事務執行ノ爲一市區町村內若ハ鄰接市區町村間ニ於テ公署相互間又ハ一郡市區ニ於テ公署ト第一次監督官廳トノ間ニ施設スルモノ
      4.  電報送󠄁受ノ目的ヲ以テ一人ノ專用ニ供スル爲電信官署トノ間ニ施設スルモノ
      5.  一市區町村內若ハ鄰接市區町村間ニ於テ又ハ電信電話ノ連󠄀絡ナク且第四號ニ依ルヲ不適トスル市區町村間ニ於テ一人又ハ一營業ノ專用ニ供スル爲施設スルモノ
  3. 第三條
    1. 主務大臣ハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ前󠄁條ニ依リ施設シタル電信又ハ電話ヲ公衆通󠄁信又ハ軍事上必要ナル通󠄁信ノ用ニ供セシムルコトヲ得
    2. 前󠄁項ノ場合ニ於テ必要ト認󠄁ムルトキハ主務大臣ハ吏員ヲ派遣シテ其ノ取扱ヲ爲サシムルコトヲ得
  4. 第四條
    1. 主務大臣ハ公安ノ爲必要ト認󠄁ムルトキハ區域ヲ定メ電信又ハ電話ニ依ル通󠄁信ヲ停止若ハ制限スルコトヲ得
  5. 第五條
    1. 電信又ハ電話ニ依ル通󠄁信ニシテ公安ヲ妨害シ又ハ風俗ヲ壊亂スルモノト認󠄁ムルトキハ主務大臣ノ指定シタル電信官署又ハ電話官署ニ於テ之ヲ停止スルコトヲ得
  6. 第六條
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配󠄁達󠄁人及配󠄁達󠄁用車馬等ハ道󠄁路ニ障碍アリテ通󠄁行シ難キ場合ニ於テ墻壁又ハ欄柵ナキ宅地田畑其ノ他ノ場所󠄁ヲ通󠄁行スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ政府ハ被害者ノ請󠄁求ニ因リ其ノ損害ノ賠償ヲ爲スヘシ
  7. 第七條
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配󠄁達󠄁人及配󠄁達󠄁用舟車馬等事故ニ遭󠄁遇󠄁シタル場合ニ於テ電信又ハ電話ノ工夫配󠄁達人若ハ吏員ヨリ助力ヲ求メラレタル者ハ正當ナ事由ナクシテ之ヲ拒ムコトヲ得ス此ノ場合ニ於テハ政府ハ助力者ノ請󠄁求ニ因リ相当ノ報酬ヲ爲スヘシ
  8. 第八條
    1. 職務執行中ノ電信又ハ電話ノ工夫配󠄁達󠄁人及配󠄁達󠄁用舟車馬等ニ對シテハ渡津、運󠄁河、道󠄁路、橋梁其ノ他ノ場所󠄁ニ於ケル通行錢ヲ請󠄁求スルコトヲ得ス
    2. 前󠄁項ノ工夫及配󠄁達󠄁人ハ何時ニテモ渡津ノ出船ヲ求ムルコトヲ得
  9. 第九條
    1. 政府ハ電信又ハ電話ノ用ニ供スル爲鐵道󠄁用地及停車場建物ノ一部ヲ使用シ必要アルトキハ建物ノ建築又ハ改築ヲ命スルコトヲ得
    2. 前󠄁項ノ場合ニ於テ土地建物ノ使用料及建築改築ノ費用ハ請󠄁求ニ因リ政府之ヲ支給ス
  10. 第十條
    1. 政府カ鐵道󠄁用地內ニ電信線又ハ電話線ヲ施設シタルトキハ使用料ヲ支給セス
  11. 第十一條
    1. 電信若ハ電話專用ノ物件又ハ現ニ其ノ用ニ供スル物件ハ之ヲ差押フルコトヲ得ス
    2. 前󠄁項專用ノ物件ハ何等ノ賦課ヲ受クルコトナシ
  12. 第十二條
    1. 電信又ハ電話取扱ニ關シ電信官署又ハ電話官署ニ對シテ無能力者ノ爲シタル行爲ハ能力者ノ爲シタルモノト看做ス
  13. 第十三條
    1. 電報ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外其ノ宛所󠄁ニ配󠄁達󠄁
  14. 第十四條
    1. 電報ハ命令ヲ以テ定ムル場合ニ限リ發信人ノ請󠄁求ニ因リ其ノ送󠄁達ヲ停止スルコトヲ得
  15. 第十五條
    1. 宛所󠄁ニ配󠄁達󠄁シ又ハ受信人ニ交付シ得サル電報ハ之ヲ公示ス其ノ公示ノ日ヨリ三十日間ニ交付ノ請󠄁求ナキトキハ之ヲ棄却ス
  16. 第十六條
    1. 電信官署ニ於テ必要ト認󠄁ムルトキハ發信人ニ對シ其ノ電報ニ用ヰタル祕語ノ說明ヲ求ムルコトヲ得發信人若其ノ說明ヲ拒ミタルトキハ其ノ電報ノ取扱ヲ拒絶ス
  17. 第十七條
    1. 電信又ハ電話ニ關スル料金及電信又ハ電話ニ依ル通󠄁信ノ取扱ニ必要ナル制限ハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依ル
  18. 第十八條
    1. 電信又ハ電話ニ關スル旣納󠄁及過󠄁納󠄁ノ料金ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外之ヲ還󠄁付セス
  19. 第十九條
    1. 信人ニ於テ前󠄁納󠄁スヘキ電信ニ關スル料金ニ不足アルトキハ發信人ヨリ其ノ不足額ノ二倍ノ料金ヲ徵
  20. 第二十條
    1. 電信又ハ電話ニ關スル料金納󠄁付ノ義務ハ其ノ納󠄁付スヘキ日ヨリ六箇月內ニ納󠄁付ノ吿知ヲ受ケサルニ因リテ消󠄁滅ス
  21. 第二十一條
    1. 電信又ハ電話ニ關スル料金ノ不納󠄁金額ハ電信官署又ハ電話官署ニ於テ國納󠄁分ノ例ニ依リ之ヲ徵
    2. 前󠄁項ノ不納󠄁金額ニ付電信官署又ハ電話官署ハ國ニ次キ先取特權ヲ有ス
  22. 第二十二條
    1. 電信又ハ電話ニ依ル通󠄁信ニシテ電信、電話及郵便、郵便爲替、郵便貯金ノ事務又ハ氣象報吿ニ關スルモノハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ無料ト爲スコトヲ得
  23. 第二十三條
    1. 電信又ハ電話ニ關スル料金ハ命令ヲ以テ定ムル場合ヲ除クノ外郵便切手ヲ以テ納󠄁付スヘシ
  24. 第二十四條
    1. 電信又ハ電話ノ取扱ニ關シテハ政府ハ損害賠償ノ責ニ任セス
  25. 第二十五條
    1. 本法ニ依ル損害賠償又ハ報酬ノ請󠄁求權ハ主務大臣ノ指定シタル電信官署又ハ電話官署ニ對シ其ノ事實アリタル日ヨリ三箇月間之ヲ行ハサルニ因リテ消󠄁滅ス
  26. 第二十六條
    1. 電信官署若ハ電話官署ノ賠償又ハ報酬ニ關スル決定ニ對シ不服アル者ハ其ノ通󠄁知ヲ受ケタル日ヨリ三箇月以內ニ民事訴訟ヲ提起スルコトヲ得
  27. 第二十七條
    1. 利ナクシテ電信若ハ電話ヲ私設シタル者又ハ權利ヲ失ヒタル後主務官署ノ指定シタル期間內ニ私設ノ電信若ハ電話ヲ撤去セサル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處シ其ノ電信線又ハ電話線及電信又ハ電話ノ機器ヲ沒
    2. 前󠄁項ノ場合ニ於テ其ノ電信又ハ電話ヲ他人ノ用ニ供シ因テ金錢物品ヲ收得シタルトキハ之ヲ沒收ス旣ニ消󠄁費又ハ讓渡シタルトキハ其ノ金額又ハ代價ヲ追徵
    3. 第一項ノ電信又ハ電話ヲ使用シタル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處
  28. 第二十八條
    1. 第三條第一項ニ依ル場合ヲ除クノ外私設ノ電信若ハ電話ヲ他人ノ用ニ供シタル者又ハ其ノ私設者ニアラスシテ之ヲ使用シタル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處
    2. 前󠄁項ノ場合ニ於テ金錢物品ヲ收得シタルトキハ之ヲ沒ス旣ニ消󠄁費又ハ讓渡シタルトキハ其ノ金額又ハ代價ヲ追徵
  29. 第二十九條
    1. 第三條第一項ノ場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ電信若ハ電話ノ供用ヲ拒ミ又ハ第九條第一項ノ場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ用地、建物ノ使用ヲ拒ミ若ハ建物ノ建築改築ヲ爲ササル者ハ五圓以上五百圓以下ノ罰金ニ處
  30. 第三十條
    1. 第六條ノ場合ニ於テ通󠄁行ヲ拒ミ又ハ第七條ノ場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ助力ヲ拒ミ又ハ第八條ノ場合ニ於テ通󠄁行錢ヲ强要シ若ハ正當ノ理由ナクシテ渡津ノ出船ヲ拒ミタル者ハ科料ニ處
  31. 第三十一條
    1. 電信官署又ハ電話官署ノ取扱中ニ係ル通󠄁信ノ祕密ヲ侵シタル者ハ一月以上一年以下ノ重禁錮ニ處シ二十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ從事スル者前󠄁項ノ所󠄁アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
    3. 本條ノ罪ハ被害者ノ吿訴ヲ待テ之ヲ論ス
  32. 第三十二條
    1. 不正ノ手段ヲ以テ電信又ハ電話ニ關スル料金ヲ免レ又ハ免レムトシタル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ從事スル者前󠄁項ノ所󠄁アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  33. 第三十三條
    1. 自己若ハ他人ニ利益ヲ與ヘ又ハ他人ニ損害ヲ加フル目的ヲ以テ虛ノ電報ヲ發シタル者ハ一月以上五年以下ノ重禁錮ニ處シ五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 前󠄁項ノ場合ニ於テ電信爲替ニ要スヘキ電報ニ係ルトキハ輕役ニ處
    3. 電信事務ニ從事スル者前󠄁二項ノ所󠄁アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  34. 第三十四條
    1. 電信又ハ電話ノ事務ニ從事スル者電信官署又ハ電話官署ノ取扱中ニ係ル電信又ハ電話ノ用紙ニ貼用シタル郵便切手ヲ剝シタルトキハ三圓以上三十圓以下ノ罰金ニ處ス其ノ未タ消󠄁印ヲ爲ササルモノニ關シテハ刑法竊ノ罪ニ照シテ處
  35. 第三十五條
    1. 電信官署ノ取扱中ニ係ル電報ヲ正當ノ事由ナクシテ開披、毀損、隱匿若ハ放棄シタル者又ハ受取人ニ非サル者ニ交付シ若ハ情󠄁ヲ知リテ之ヲ受取リタル者又ハ其ノ傳送󠄁配󠄁達󠄁ヲ妨害シタル者ハ一月以上二年以下ノ重禁錮ニ處シ二十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 電信事務ニ從事スル者前󠄁項ノ所󠄁アリタルトキハ本刑ニ一等ヲ加フ
  36. 第三十六條
    1. 電信若ハ電話ノ事務ニ從事スル者正當ノ事由ナクシテ其ノ通󠄁信ノ取扱ヲ拒絶シ又ハ其ノ傳送󠄁ヲ遲延セシメタルトキハ四圓以上四十圓以下ノ罰金ニ處
  37. 第三十七條
    1. 電信線又ハ電話線其ノ他電信又ハ電話ノ機器建造󠄁物ヲ毀損シ若ハ通󠄁信ヲ障碍シタル者ハ一月以上五年以下ノ重禁錮ニ處シ五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
    2. 過󠄁失ニ因リ通󠄁信ヲ障碍シタル者ハ五十圓以下ノ罰金ニ處
  38. 第三十八條
    1. 電信線若ハ電話線ノ建築修理又ハ線路ノ巡󠄁測量ヲ妨害シタル者ハ一月以上二年以下ノ重禁錮ニ處シ二十圓以下ノ罰金ヲ附加ス
  39. 第三十九條
    1. 電信、電話ノ線條若ハ其ノ支持物ニ物品ヲ懸ケ若ハ擲チ又ハ之ニ動物若ハ舟筏ヲ繋キ又ハ之ヲ汚穢シタル者ハ科料ニ處
    2. 電信又ハ電話線路ノ測量標ヲ毀棄汚穢シタル者亦同シ
  40. 第四十條
    1. 主務官署ノ指定シタル水底電信線路若ハ水底電話線路ノ區域內ニ於テ船舶ヲ繋留シ又ハ漁業採󠄁藻ヲ爲シ若ハ土砂ヲ掘鑿シ又ハ水底電信線若ハ水底電話線ノ號標ニ舟筏ヲ繋キ又ハ其ノ號標ヲ毀棄シタル者ハ五圓以上百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 水底電信線若ハ水底電話線ノ布設若ハ修理ノ爲其ノ位置ヲ示スヘキ浮󠄁標又ハ其ノ布設若ハ修理ニ從事スル船舶ヨリ主務官署ノ指定シタル距離以內ニ於テ前󠄁項ノ所󠄁ヲ爲シ若ハ航行シタル者亦同シ
  41. 第四十一條
    1. 第三十二條ヲ除クノ外前󠄁條ニ記載シタル輕罪ヲ犯サムトシテ未タ遂󠄂ケサル者ハ刑法未遂󠄂犯罪ノ例ニ照シテ處
  42. 第四十二條
    1. 法人ノ業務ニ關シ其ノ代表者又ハ雇人其ノ他ノ從業者前󠄁條ノ罪ヲ犯シタルトキハ其ノ罰則ヲ法人ニ適用ス但シ罰金科料以外ノ刑ニ處スヘキ場合ニ於テハ法人ヲ三百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 法人ヲ處罰スヘキ場合ニ於テハ法人ノ代表者ヲ以テ被吿人トス
    3. 法人ヲ處罰スルノ裁判󠄁確定シタル日ヨリ罰金ニ關シテハ一月以內科料ニ關シテハ十日以內ニ之ヲ納󠄁完セサルトキハ民事訴訟法第六編ノ規定ニ從ヒテ其ノ執行ヲ爲ス此ノ場合ニ於テハ檢事ノ命令ヲ以テ執行力ヲ有スル債務名義ト同一ノ效力アルモノトス
    4. 前󠄁項ニ依リ執行ヲ爲スニハ執行前󠄁裁判󠄁ノ送󠄁達󠄁ヲ爲スコトヲ要セス
  43. 第四十三條
    1. 公衆通󠄁信又ハ第三條第一項ニ依リ現ニ軍事通󠄁信ノ用ニ供スル私設ノ電信又ハ電話ニ關シテハ第九條ヲ除クノ外本法中政府ノ施設ニ係ル電信又ハ電話ニ關スル規定ヲ準用ス
  44. 第四十四條
    1. 電信又ハ電話ニ非スト雖通󠄁報信號ヲ爲スモノニ關シテハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ本法ノ規定ヲ準用スルコトヲ得
  45. 第四十五條
    1. 帝國外國間ニ於ケル電信ニ關シ別ニ法令條約又ハ特許ノ條款ニ明文アルモノハ各其ノ定ムル所󠄁ニ依ル
  46. 附則
  47. 第四十六條
    1. 本法ハ明治三十三年十月一日ヨリ之ヲ施行ス
    2. 電信條例ハ之ヲ廢止ス
  48. 第四十七條
    1. 本法施行前󠄁電信條例ニ依リ電信又ハ電話私設ノ許可ヲ得タル者ハ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ更ニ許可ノ申請󠄁ヲ爲スコトヲ要ス

○電信法第一次改正(大正4年)

朕󠄂帝國議會ノ協賛ヲ經タル電信法中改正法律ヲ裁可シ茲ニ之ヲ公布セシム

御名 御璽

大正五年三月六日

閣總理大臣 伯爵󠄂 大隈重信

信大臣 箕浦勝人

法律第十九號
電信法中左ノ通󠄁改正ス
  1. 第十五條
    1. 宛所󠄁ニ配󠄁達󠄁シ又ハ受信人ニ交付シ得サル電報ハ電信官署ニ於テ之ヲ保管ス其ノ保管開始ノ日ヨリ三十日內ニ交付ノ請󠄁求ナキトキハ之ヲ棄却ス
  2. 第二十二條中
    1. 「電話及」ヲ「電話、無線電信、無線電話、」ニ改ム
  3. 第二十七條
    1. 不法ニ電信、電話ヲ施設シ又ハ不法ニ施設シタル電信、電話ヲ使用シタル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處
  4. 第二十七條ノ二
    1. 主務官署カ命令ノ定ムル所󠄁ニ依リ私設ノ電信又ハ電話ノ撤去ヲ命シタル場合ニ於テ期間內ニ之ヲ撤去セサル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 撤去ヲ命セラレタル私設ノ電信又ハ電話ヲ使用シタル者亦同シ
  5. 第二十八條
    1. 私設ノ電信若ハ電話ヲ他人ノ用ニ供シタル者又ハ其ノ私設者ニ非スシテ之ヲ使用シタル者ハ五百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 私設ノ電信又ハ電話ニ依賴シ通󠄁信ヲ爲サシメタル者ハ百圓以下ノ罰金ニ處
  6. 第二十八條ノ二
    1. 第二十七條、第二十七條ノ二第二項及前󠄁條第一項ノ場合ニ於テ金錢物品ヲ收得シタルトキハ之ヲ沒收ス旣ニ消󠄁費又ハ讓渡シタルトキハ其ノ價額ヲ追徵
  7. 第二十九條
    1. 第三條ノ場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ電信、電話ノ供用ヲ拒ミ又ハ第九條ノ場合ニ於テ正當ノ事由ナクシテ鐵道󠄁用地、停車場建物ノ使 用ヲ拒ミ若ハ停車場建物ノ建築改築ヲ爲ササル者ハ千圓以下ノ罰金ニ處
  8. 第三十條中
    1. 「科料」ヲ「三十圓以下ノ罰金又ハ科料」ニ改ム
  9. 第三十一條
    1. 電信官署又ハ電話官署ノ取扱中ニ係ル通󠄁信ノ祕密ヲ侵シタル者ハ一年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ從事スル者前󠄁項ノ行爲ヲ爲シタルトキハ二年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處
    3. 本條ノ罪ハ吿訴ヲ待テ之ヲ論ス
  10. 第三十二條
    1. 不法ニ電信、電話ニ關スル料金ヲ免レ又ハ他人ヲシテ之ヲ免レシメタル者ハ二百圓以下ノ罰金ニ處
    2. 電信又ハ電話ノ事務ニ從事スル者前󠄁項ノ行爲ヲ爲シタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處
  11. 第三十三條中
    1. 「虛ノ電報」ヲ「電信又ハ電話ニ依リ虛ノ通󠄁信」ニ、「一月以上五年以下ノ重禁錮ニ處シ五十圓以下ノ罰金ヲ附加ス」ヲ「五年以下ノ懲役又ハ千圓以下ノ罰金ニ處ス」ニ、「輕役」ヲ「七年以下ノ懲役」ニ改メ同條第三項ヲ削󠄁
  12. 第三十四條
    1. 削󠄁
  13. 第三十五條
    1. 電信官署ノ取扱中ニ係ル電報ヲ正當ノ事由ナクシテ開披、毀損、隱匿若ハ放棄シ又ハ受取人ニ非サル者ニ交付シタル者ハ三年以下ノ懲役又ハ五百圓以下ノ罰金ニ處ス但シ刑法第二百五十八條ニ該當スル場合ハ刑法ノ例ニ依ル
  14. 第三十六條
    1. 電信若ハ電話ノ事務ニ從事スル者正當ノ事由ナクシテ通󠄁信ノ取扱ヲ爲ササルトキ又ハ之ヲ遲延セシメタルトキハ一年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處
  15. 第三十八條中
    1. 「一月以上二年以下ノ重禁錮ニ處シ二十圓以下ノ罰金ヲ附加ス」ヲ「三年以下ノ懲役又ハ二百圓以下ノ罰金ニ處ス」ニ改ム
  16. 第三十九條中
    1. 「科料」ヲ「十圓以下ノ科料」ニ改ム
  17. 第四十條中
    1. 「五圓以上百圓以下ノ罰金」ヲ「千圓以下ノ罰金」ニ、「所󠄁」ヲ「行爲」ニ改ム
  18. 第四十一條
    1. 第二十七條、第二十七條ノ二第二項、第二十八條、第三十一條乃至第三十三條、第三十五條、第三十七條、第三十八條及前󠄁條ノ未遂󠄂罪ハ之ヲ罰ス
  19. 第四十二條
    1. 削󠄁
  20. 附則
    1. 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
    2. 本法施行前󠄁ニ差出シタル電報ニ關シテハ仍從前󠄁ノ例ニ依ル

昭和23年改正(抜粋)

法律第百五号
電信電話料金法
  1. 第一條
    1. 公衆通󠄁信の用に供する電信(無線電信を含む。以下同じ。)及び電話(無線電話を含む。以下同じ。)に関する料金は、この法律の定めるところによる。
  2. 附則
  3. 第五條
    1. この法律は、昭和二十三年七月十日から、これを施行する。
  4. 第六條
    1. 電信法(明治三十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
      1. 第十七條中「電信又ハ電話ニ關スル料金及」ヲ削󠄁る。

昭和24年改正(抜粋)

法律第百六十一号
郵政省設置法及び電氣通信省設置法の施行に伴う関係法令の整理に関する法律
  1. 第十條
    1. 電信法(明治三十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
      1. 第二條第四号、第十五條、第十六條及び第三十五條中「電信官署」を「地方電氣通信取扱局」に改める。
      2. 第五條及び第二十五條中「主務大臣ノ指定シタル電信官署又ハ電話官署」を「地方電氣通信局」に改める。
      3. 第十二條中「電信官署又ハ電話官署」を「地方電氣通信取扱局」に改める。
      4. 第二十一條及び第三十一條中「電信官署又ハ電話官署」を「電氣通信省」に改める。
      5. 第二十二條中「、郵便、郵便爲替、郵便貯金」を削る。
      6. 第二十三條中「場合ヲ除クノ外」を「場合ニ於テハ」に改める。
      7. 第二十六條中「電信官署若ハ電話官署」を「地方電氣通󠄁信局」に改める。
  2. 附則
    1. この法律は、昭和二十四年六月一日から施行する。

昭和27年改正(抜粋)

昭和二十七年七月三十一日

法律第二百五十一号
日本電信電話公社法施行法
  1. (電信法の改正)

    第二十二條

    1. 電信法(明治三十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
      1. 第一條中「管掌ス」を「管理ス」に改め、同條の次に次の一條を加える。
        1. 第一條ノ二
          1. 公衆通󠄁信ノ用ニ供スル電信及電話ニ関スル業務ハ日本電信電話公社ヲシテ之ヲ行ハシム
      2. 第二條第四号、第十二條、第十五條、第十六條及び第三十五條中「地方電気通󠄁信取扱局」を「電気通󠄁信取扱局」に改める。
      3. 第三條第一項中「又ハ軍事上必要ナル通󠄁信」を削󠄁る。
      4. 第五條中「地方電気通󠄁信局ニ於テ」を「主務大臣ハ」に改める。
      5. 第六條、第七條、及び第二十四條中「政府」を「日本電信電話公社」に改める。
      6. 第九條第一項中「政府」を「日本電信電話公社」に改め、同條第二項中「政府」を「日本電信電話公社」に、「支給ス」を「支拂フベシ」に改める。
      7. 第十條中「政府」を「日本電信電話公社」に、「支給セズ」を「支拂フコトヲ要セズ」に改める。
      8. 第二十一條及び第三十一條第一項中「電気通󠄁信省」を「日本電信電話公社」に改める。
      9. 第二十五條及び第二十六條中「地方電気通󠄁信局」を「日本電信電話公社」に改める。
      10. 第四十三條中「又ハ第三條第一項ニ依リ現ニ軍事通󠄁信」を削󠄁り、「政府」を「日本電信電話公社」に改める。
      11. 第四十五條中「帝国外国間ニ於ケル電信」を「日本国外国間ニ於ケル電信及電話」に改める。
  2. 附則
    1. この法律は、公社法の施行の日から施行する。但し、第一條の規定は、公布の日から施行する。

昭和27年改正その2(抜粋)

昭和二十七年八月七日

法律第三百一号
国際電信電話株式会社法
  1. 附則
    1. (施行期日)

       この法律の施行期日は、政令で定める。但し、その期日は、昭和二十八年三月三十一日後であつてはならない。

    2. 33 電信法(明治三十三年法律第五十九号)の一部を次のように改正する。
      1. 第一條ノ二に次の但書を加える。
        1. 但シ主務大臣ハ日本国外国間ニ於ケル電信及び電話ニ関スルモノハ国際電信電話株式会社ヲシテ之ヲ行ハシムルコトヲ得
      2. 第二十四條及び第三十一條第一項中「日本電信電話公社」の下に「又ハ国際電信電話株式会社」を加える。

昭和28年廃止(抜粋)

昭和二十八年七月三十一日

法律第九十八号
有線電気通信法及び公衆電気通信法施行法
  1. (有線電気通信法及び公衆電気通信法の施行期日)

    第一条
    1. 有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号。以下「有線法」という。)及び公衆電気通信法(昭和二十八年法律第九十七号。以下「公衆法」という。)は、昭和二十八年八月一日から施行する。
  2. (電信線電話線建設条例等の廃止)

    第二条
    1. 左の法律は廃止する。
      1. 電信線電話線建設条例(明治二十三年法律第五十八号)
      2. 電信法(明治三十三年法律第五十九号)
      3. 電信電話料金法(昭和二十三年法律第百五号)
  3. 附則
    1. この法律は、昭和二十八年八月一日から施行する。

ノート

出典

本文書は国会図書館が公開する過去の官報、原本、法令全書または衆議院制定法律一覧を参考にテキスト化したものです。

必要がある場合は下記URLを参照ください。

明治33年版
官報(明治33年3月14日)
法令全書(明治33年)
御署名原本(明治三十三年法律第五十九号)
大正5年版
御署名原本(大正五年法律第十九号)
官報(大正5年3月7日)
昭和23年版
御署名原本(昭和二十三年法律第百五号)
官報(昭和23年7月6日)
衆議院制定法律(法律第105号)(第2回国会)
昭和24年版
御署名原本(昭和二十四年法律第百六十一号)
官報(昭和24年5月31日)
衆議院制定法律(法律第161号)(第5回国会)
昭和27年7月版
御署名原本(昭和二十七年法律第二百五十一号)
衆議院制定法律(法律第251号)(第13回国会)
昭和27年8月版
御署名原本(昭和二十七年法律第三百一号)
衆議院制定法律(法律第301号)(第13回国会)
昭和28年版
御署名原本(昭和二十八年法律第九十八号)
衆議院制定法律(法律第98号)(第16回国会)

旧字体・書体の表現について

本資料は当時の法令全書に使用されている旧字体や正字体をなるべく表現できるよう、JIS第2水準漢字の他、文字コードによる指定または異体字セレクタ(Adobe-Japan1準拠)を利用しています。(出典画像にて字体が異なることを確認できたもののみです。)

原本(天皇署名あり)は手書きによる書体も多く(特に戦前)、現代の一般的な字形と同じ場合もあるのですが、官報や法令全書など政府で印刷された活字体は「いわゆる康煕字典体」とかの名で呼ばれる字形であり、これをある程度正確に表現しようとすると、現在の汎用OSではなかなか実現が難しい状況です。

文字コード指定が出来る程度でしたら大半の環境にて問題は無いですが、異体字セレクタについては、閲覧に使用するOS、ブラウザ、フォント等の環境に強く依存するため、必ずしも正確に表現できるとは限りません。とはいえ、非対応の環境であれば現行の字体で表示されるはずです。(PC環境においてはWin7以後で「小塚ゴシック Pr6N」や「源ノ角ゴシック(Source Han Sans JP)」では対応しており、上記フォントをインストール済みのPCであれば、自動的にフォント指定がされるようにしてあります。)

一部の漢字(「又」「建」など)は筆押さえの有無による字形の違いが見られましたが、単なる書体(デザイン)差とする例が多いようなので、これらについての特段の対応はしておりません。また「適」の2点しんにょうは利用可能な異体字セレクタはありませんので、通行字体で代用しています。

本資料においては、以下の字体の対応を使用しておりますので、閲覧環境にて下表の通行自体(左)と旧字体等(右)の違いが見えない、あるいは文字化けするような場合には、その字形が非対応であるということになります。

なお、本ページにおける旧字体という名称は便宜的なものであり、旧字体、異体字、正字などを総称したものであって、厳密に区別はしておりません。

異体字セレクタ対応(同一コード)
通行字体 旧字体等 備考
達󠄁 ⻌→辶
通󠄁 ⻌→辶
運󠄁 ⻌→辶
道󠄁 ⻌→辶
造󠄁 「⻌→辶」 「告→吿」
巡󠄁 ⻌→辶
還󠄁 ⻌→辶
送󠄁 「⻌→辶」「关→八+天の字形」
過󠄁 ⻌→辶
所󠄁 戸→戶
情󠄁 青→靑
請󠄁 青→靑
消󠄁 肖の字形が小+月
判󠄁 「半」の部首が「叛」と同じ字形
採󠄁 ⺤→爫
浮󠄁 ⺤→爫
爵󠄂 嚼の口偏を抜いた字形
納󠄁 内→內
朋󠄁 萠の草冠を抜いた字形
前󠄁 揃の手偏を抜いた字形
認󠄁 刃のつくりが仞の人偏を抜いた字形
配󠄁 己→已
削󠄁 肖の字形が小+月
朕󠄂 「关→八+天の字形」「月の中が二点」
異コード指定文字
通行字体 旧字体等
JIS第2水準漢字
通行字体 旧字体等
表現不可であった字体
通行字体 説明
辶(2点しんにょう)