このページは、無線従事者資格の謎の別編である資料集です。
特に、法で定められる正規の通信士資格(すなわち特殊無線技士、無線技術士)以外の資格の操作範囲の変遷を対象としたものです。あくまで、歴史的な資料としてまとめたものですので、現行法規上、有効なものかどうかは必ず法令集を参照するようお願いいたします。
最新の法令は政府の法令データ提供システムで閲覧が可能です。
その他の資格については、下記を参照してください。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電信(第三號ニ依リ施設シタルモノヲ除ク)ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二条第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條各號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ和文通信竝同條第三號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二条第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條各號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ和文通信竝同條第三號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ和文通信竝同條第三號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
漁船級 | 無線電信法第二條第一號、第二號、第四號ニ依リ總頓數五百頓未滿の漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ通信同條第三號ニ依リ同漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ和文通信及同條第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信竝ニ同條各號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ和文通信竝同條第三號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ和文通信竝同條第三號ニ依リ施設シタル無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
漁船級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號ニ依リ總頓數五百頓未滿の漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ通信同條第三號ニ依リ同漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ和文通信及同條第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信竝ニ同條各號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信ノ補助ニ從事シ得ル者 |
共通事項 | 本令ノ規定ニ依リ第一級、第二級又ハ漁船級ノ合格證書ヲ有スル者ハ無線電信法第二條ニ依リ施設シタル私設無線電話(放送用私設無線電話規則ニ依ルモノヲ除ク)ノ通信ニ從事シ得ル資格ヲ有スルモノトス |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 私設無線電信ノ通信及私設無線電話(放送用私設無線電話規則ニ依ルモノヲ除ク以下同シ)の通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ歐文通信ノ補助及和文通信竝私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號及第六號ニ依リ總頓數五百頓未滿の漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ同漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ和文通信、同條第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第六號ニ依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條各號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ補助竝送信機入力三百「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
電話級 | 送信機入力三百「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
聽守員級 | 無線電信法第二條第六號依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及船舶ニ施設シタル私設無線電信ニ於ケル聽守ニ從事シ得ル者 |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 私設無線電信ノ通信及私設無線電話(放送用私設無線電話規則ニ依ルモノヲ除ク以下同シ)の通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ歐文通信ノ補助及和文通信竝私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號及第六號ニ依リ總頓數五百頓未滿の漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ同漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ和文通信、同條第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第六號ニ依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條各號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ補助竝空中線電力五十「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
電話級 | 空中線電力五十「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
聽守員級 | 無線電信法第二條第六號依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及船舶ニ施設シタル私設無線電信ニ於ケル聽守ニ從事シ得ル者 |
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 | 私設無線電信ノ通信及私設無線電話(放送用私設無線電話規則ニ依ルモノヲ除ク以下同シ)の通信ニ從事シ得ル者 |
第二級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號乃至第六號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ歐文通信ノ補助及和文通信竝私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
第三級 | 無線電信法第二條第一號第二號第四號及第六號ニ依リ總頓數五百頓未滿の漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第三號ニ依リ同漁船ニ施設シタル私設無線電信ノ和文通信、同條第五號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ通信、同條第六號ニ依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及同條各號ニ依リ施設シタル私設無線電信ノ補助竝空中線電力百「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
電話級 | 空中線電力百「ワツト」以下ノ私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
航空級 | 旅客運送ノ用ニ供セラレザル航空機ニ施設シタル私設無線電信ノ通信及航空機ニ施設シタル私設無線電話ノ通信ニ從事シ得ル者 |
聽守員級 | 無線電信法第二條第六號依リ受信ニ專用スル目的ヲ以テ施設シタル私設無線電信ノ通信及船舶ニ施設シタル私設無線電信ニ於ケル聽守ニ從事シ得ル者 |
昭和24年2月8日 逓信省令6号により、航空級が削除された。
電波法施行に伴い、電波法に新資格の規定がなされ、法律上で直接操作範囲が定められました。
このときから、「操作」「技術操作」「通信操作」という用語が使われるようになり、現在に至るまで便利に使われています。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
電話級 |
|
聽守員級 |
|
主権回復による航空級の復活と関連整備が主なもの。それと、聴守員級が廃止されました。電波法上で正規の通信士資格が消えた、最初で最後の例になります。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
電波法本体から切り離し、仕切りなおし。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
全資格操作範囲に以下の事項が追加。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
共通事項 | 振幅変調型式の電波を使用する無線電信で変調波について電鍵開閉操作が行われるものは、前項の規定の適用に関しては、当該操作につき、その空中線電力が、当該無線電信の当該操作に係る空中線電力に相当するワツト数に四十分の十五を乗じて得たワツト数とみなす。 |
2通と電話通の改正、3通の全文改正のほか、国際公衆通信の項目が追加された。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
3通のみ一部改正。漁船の文言が増えた。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
2通の移動範囲が変更、2通、3通は電話の電力が電信と同じに。電話級は全文改正。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
通信士は特に無関係。特殊無線技士・アマの周波数表示がヘルツに変更となった。
通信士は特に無関係。特殊無線技士(丙)のみが対象
1通以外で、表現の大幅な変更あり。「無線電話」とか「無線電信」という表現が消えかけ、モールス符号という用語が使用開始。ファクシミリとか、テレメーターが「無線設備」に一本化
このあたりから、読解が困難な操作範囲になってきます。
あと、3通と電話通のみに使われた「行なう」を、こっそり「行う」に直してますw。これは昭和56年改正の内閣告示(送り仮名の付け方)が原因みたい。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
今次は特殊無線技士(丙)のみが対象で通信士は無関係です。
電電公社廃止とNTT発足に伴い、一部表現が改正されました。
政令 第51条で「公衆通信」→「電気通信業務の通信」、「国際公衆通信」→「国際電気通信業務の通信」へ改められました。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
第一級 |
|
第二級 |
|
第三級 |
|
航空級 |
|
電話級 |
|
平成元年は政令の全文改正があり、新たに「無線従事者の操作の範囲を定める政令」として仕切り直しです。資格名称も全て変更になり、以前の資格は形式的には廃止されました。
衛星関連についての新規制限が多いですが、これは海上無線通信士制度の影響です。また、アマチュア資格の操作範囲分が別項に収められました。
なお、この時点では1海通~3海通の内容は一切示されず、4海通だけが存在して電話通の内容を引き継いだため、資格新設の事情を知らないと、よく理解できない規定内容になっています。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
一総通 |
|
二総通 |
|
三総通 |
|
四海通 | 次に掲げる無線設備の操作(モールス符号による通信操作及び国際通信のための通信操作並びに多重無線設備の技術操作を除く。)
|
航空通 |
|
1海通~3海通までの操作範囲が規定されました。通信士によるアマチュア分の操作範囲規定も改正です。このとき3海通のみがアマチュア資格に該当しませんでした。
官報の並びを見るに、ミスというよりは、施行時の担当官の考え方によるものではないかと推測しています。なぜなら3海通は通信士の中でも際立って簡単な設備操作しかできない特殊な資格です。元々、船舶通信専従者資格ではなく航海士などの職員が取る向けの資格であって、操作範囲が「特殊無線技士」と同じ書き方「外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作」をされています。
すなわち、4海通(旧電話通)が無線設備の「技術操作」についてほぼ無制限なのに対し、3海通の操作が非常に限定されているということです。
このことが原因で4海通に4アマを認めているのに対し、3海通が除外されている原因ではないかと思います。
一方、2海通はアマチュアも認められました。航空通が「外部の調整部分」の操作しかないのに4アマを割り当てられていたので、特におかしなとところはありません。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
一総通 |
|
二総通 |
|
三総通 |
|
一海通 |
|
二海通 |
|
三海通 |
|
四海通 | 次に掲げる無線設備の操作(モールス符号による通信操作及び国際通信のための通信操作並びに多重無線設備の技術操作を除く。)
|
航空通 |
|
改正分は1海特のみです。
改正分は3海特のみです。
改正分はアマチュア資格のみです。
資格操作範囲の改正ではなく、「テレビジョン放送」の定義が拡大したのみです。
再び「テレビジョン放送」の定義が変更されました。
郵政省が総務省に再編された影響で、郵政が総務に変更されました。それに伴い2海通の文言が「郵政大臣」から「総務大臣」に変わりました。
政令が新たに仕切りなおしで、全文改正となり、「無線従事者の操作の範囲を定める政令」が「電波法施行令」にまとめられました。
電波法は通信法規の中では珍しく「施行令」が無い法律だったのですが、おそらく電波法施行時に電波監理委員会が設置される、特殊な形であった影響ではないかと思っています。
本年は、もう一度改正が入っており3総通に3陸特の範囲の追加がされています。(平成13年12月21日 政令422号)
資格 | 操作範囲 |
---|---|
一総通 |
|
二総通 |
|
三総通 |
|
一海通 |
|
二海通 |
|
三海通 |
|
四海通 | 次に掲げる無線設備の操作(モールス符号による通信操作及び国際通信のための通信操作並びに多重無線設備の技術操作を除く。)
|
航空通 |
|
3総通に3陸特の範囲が追加されました。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
三総通 |
|
放送法改正による影響で、2総通、3総通、2陸技の用語が変更されました。
「放送局」→「基幹放送局」のみです。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
二総通 |
|
三総通 |
|
世界無線通信会議(WRC-15)で衛星利用のAIS(Automatic Identification System: 船舶自動識別装置)が導入されることになったため、従来は電気通信業務のみであった衛星地球局が電気通信用とそれ以外に分離しました。その影響で、3総通、4海通、1海特及び2海特において文言が変更されています。
これによって、3総通、4海通、2海特も電気通信業務以外の船舶地球局の操作が可能になりました。
法的には「電波法及び電気通信事業法の一部を改正する法律」(平成29年法律第27号)の改正影響です。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
三総通 |
|
四海通 | 次に掲げる無線設備の操作(モールス符号による通信操作及び国際通信のための通信操作並びに多重無線設備の技術操作を除く。)
|
コミュニティFMとギャップフィラー(小出力の放送エリア補完用中継装置)の条件緩和によって、従来は2陸技以上を必要としていた放送系の設備が、2陸特でも操作可能となりました。
改正対象は、2総通、3総通と2陸特です。
資格 | 操作範囲 |
---|---|
二総通 |
|
三総通 |
|