改行、強調、着色等の編集は管理人が行いました。
平成21年度第2回 電気通信主任技術者試験(伝送交換/通信電力) 合格
受験を志したときから勉強しながらひたすら情報を収集しましが、意外に乏しく、小生にとって相当な苦悩を伴ったまれな資格であるためこの体験を投稿することにしました。
あまり役に立たないことばかりだと思いますが、恐らくは皆さんと同様に小生も苦労したことを知ってもらい、頑張っていただきたいと思います。
小生は、現在つたない一地方公務員であり、元々専門は強電力設備関係である。
職歴としては、公務員以前は民間病院の一設備管理員であり、公務員となってからは、公共建築物の建築設備改修における設計及び工事の発注管理をすることもあれば、公立病院の電気主任技術者として選任もし、現在は防災行政無線設備の無線従事者として選任されています。
同僚からは資格取得マニアとしてあざなされており、第三種電気主任技術者(以下「電験三種」という)や第一種電気工事士の取得は当然のこと、建築設備士、第二級陸上無線技術士、建築物環境衛生管理技術者及び第二種冷凍機械責任者など他多数の、特にビルメンテナンス業関係の資格を保有しています。
現在も10年以上も第二種電気主任技術者(以下「電験二種」という)の受験中である。
以前から「設備と管理」の雑誌を読んで電気通信主任技術者の存在は知ってはいましたが、そのときの職務においてまったく必要がなかったため、特に気にも留めてませんでした。
ですが、ひょんなことから年配の先輩の勧めがあり、また、建築設備士にも合格して当面の目途がたったことからやはり「電気」と付く資格に興味が湧いてきて本屋で調べた結果、電験二種の試験に当たらずも遠からずみたいな問題に着目してしまい取得を志しました。
ちなみに現在の職務において,一部の非常通信を光系IPネットワークでまかなっているため一般的知識として勉強しておく必要になりました。
6回受験、1回放棄(専門的能力はいずれも「通信電力」を選択)
平成18年度第1回:仕事の都合により受験できず(受験料がもったいなかった)
平成18年度第2回:全4科目とも不合格
(平成19年度第1回:科目合格もなく、また経済的な理由から受験申し込みせず)
平成19年度第2回:専門的能力のみ合格、他3科目不合格(これは良い意味で意外でした)
平成20年度第1回:電気通信システム合格、他2科目不合格(同月に受験した第二級陸上無線技術士が合格)
平成20年度第2回:2科目とも不合格
平成21年度第1回:法規合格、他1科目不合格
平成21年度第2回:設備及び設備管理(ようやく)合格
しかし、皆も共通に思うところだが、受験料がバカ高いものである。自分でも驚きだが、これだけの回数ダラダラと受験してきてだらしなく思うところである。
受験料が高いのは、受験者が少ないことや専門的能力の問題を余計に作成するせいであろう。
(1)NTTラーニングシステムズ(以下「NTTLS」という)通信教育
電気通信主任技術者講座(伝送交換設備及び設備管理コース)
(2)電気通信主任技術者試験全問題解答集 共通編1(09~10年版):日本理工出版会
(3)わかるAI・DD総合種[技術・理論]:リックテレコム技術出版部
(4)電気通信主任技術者試験全問題解答集 共通編1(05~06年版):日本理工出版会
(5)電気通信主任技術者試験全問題解答集 専門編2(05~06年版):日本理工出版会
(6)電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理:日本理工出版会
小生はNTTLSの回し者ではないが、「設備及び設備管理」の科目を集中して勉強するのであれば(1)がベストである。最初からこの通信教育を受けるべきであったことが後悔の念である。
過去6回分の解答・解説集も付くことから「設備及び設備管理」の科目だけを勉強するならば、小生としては(4)も購入する必要もなかったし、(6)の教材より比べものにならないほどはるかに参考になる教材を提供してくれてとてもありがたいと思った。
(2)、(4)~(6)の教材はたいていの受験者が利用していると思う。これも皆が共通に思うところだが、教材もバカ高いものである。
全問題解答集の「05~06年版」は2ヵ年に渡る出版のような表現をしているため2年に1度しか出版されないと勘違いをし、あと数ヶ月待てば「06~07年版」が出版されるとも知らず購入してしまいました(ちょっと悔しかった)。
(5)は「専門的能力」の科目が対象だが、5分野中1分野を選択して受験するのになぜ5分野とも記載されているものを購入しなければならないのか無駄ではないだろうかと疑問の残るところである。
日本理工出版会には悪いと思いますが、この中で特に(6)はいいかげん改訂してもらいたいと強く願う。
1998年初版から改訂されておらず、記載されている中の少なくても80%以上は現在の受験には役立たないことばかり載っており、時代錯誤である。
基礎中の基礎を学ぶうえでは悪くないと思うが、これは購入した受験者をバカにしているとしか思えない代物である。これで一生懸命勉強したところで合格はまず無理だと思う。
(3)の教材は、(6)が当てにならない以上「設備及び設備管理」の科目の教材を本屋で模索していたところこれがけっこう参考になったため採用したものである。
通信教育や講習会といったものもごくわずかであり、なんといっても受験対策となる教材も極端に少ないことが、小生にとってこの資格をより困難にしているのではないかと思わざるを得なかったしだいである。
意外にも最初に合格した科目がこれである。
「通信電力」を選択した理由は、受験のきっかけにも記載したが、電験三種を取得し、電験二種の受験中であることからこれを選択したものである。
また、計算問題は直流に関するものであり、交流に比べ簡単だと思いました。
実際科目合格したときの試験間近は仕事が忙しくまともに勉強できず、4科目とも受験対策らしいことがまったくできませんでしたので、不合格するつもりで臨みました。
それでも真面目に分かる範囲で解答したらこの科目に予期せず合格し、これには小生もびっくりしました。(問題用紙に自己回答を書かず退室しましたので、何点で合格したかわかりませんでした)
強いて言えば、午後の部で電気通信システムと混同で受験したため、ゆっくりじっくり吟味して解答できたことと、非常用発電設備や無停電電源装置が身近にある現場での体験があり、この科目の問題をイメージしやすかったことから、意外と正答を導きやすかったのではないだろうかと思いました
(本で学ぶより、体験が一番である)。
また、計算問題の9点分も確実にできていたようであった。このときラッキーと思いながらこれからの試験はかなり楽になるものと確信しましたが・・・。
真面目に受験対策をせず、3度目の受験で合格したものである。
たいていの人はなんからの条件で科目免除で受験することがなく、この科目に特に苦悩する方はごくわずかと思われることから、あまり語る必要はないと思うが、電気・電子の基礎を熟知し、過去数回分の問題を勉強するだけで十分合格点を確保することができると思う
(実際合格したときは自己採点で90点でした)。
しかし、受験履歴にも記載しているが、この月に受験した第二級陸上無線技術士に合格したことから、結局この科目に合格してもしなくてもそれ以後免除となることから、自分としてはあまり真剣に取り組む必要はなかったようである
(最初から相手にせずもっと他の科目を重点的に勉強したほうがよかったかも?)。
この科目に意外にも苦労するとは思ってもみませんでした。
法規の択一問題というものは、受験経験からウロ覚え程度に勉強すれば十分受かるものと思っていたことと毎回ある程度な手応えがあることから、いつかは受かるだろうと高を括っていたら、4回連続で不合格(!)してしまいました(いずれも自己採点50点前後だったかな)。
さすがに「なぜ?」と頭をかかえ自分の回答を分析した結果、うまく間違え引っ掛かるような出題構造であったことと、A~Cの3文の可否で2つまでわかってもあと1つ分からずヤマ勘がよくハズレていたことでした。
このことから引っ掛かるような出題構造を熟知して正答できるようにし、さらにA~Cの3文もしっかり熟知してようやく合格することができました(自己採点70点程度だったかな?)。
最後に残った科目が予想どおりこれであり、もう何度受験しても受からないとも絶望しかけた科目である(毎回自己採点50点弱以下しか取れない)。
ですがギリギリ専門的能力の免除最後の試験で合格したもの(自己採点68点)である
(基礎から学ぶため、工事担任者から出直したほうがいいのではとも真剣に悩みました)。
特に新規問題が相当な割合を占め、過去問題をいくら勉強しても合格点に届かないことにこの試験の困難さを実感しました。また、長年電験二種や陸上無線技術士の勉強をしていてもまったく聞いたこともない用語の連発で「電気通信」という新たな専門分野を認めざるを得ませんでした。
このことからそのときの受験参考資料では限界を感じていた小生は、上記法規合格直後にNTTLSに通信教育を申し込み、勉強したしだいであった。
また、それと同時に小生が毎回心がけている下記4項目にも着目しました。
A.信頼性の計算問題12点の確保
ご存知毎回必ず出題し、配点が12点である問題である。これだけはだれでも確保されたいと思う。
電卓が使用できないというのはちょっとキツイが、問題用紙の余白を豪快に利用して直接手計算して正確に解答できるようにした。
B.得意分野である「通信電力」系問題での点数確保
無論これは小生の得意分野である。出題されても数少ない配点だが、大抵新規問題でも十分に対応でき、貴重な点数であった。
C.問5「情報セキュリティ」の苦手克服
Aと同様ご存知これも毎回必ず出題される分野である。「わかるAI・DD総合種[技術・理論]」が結構参考になりました。
当然得意分野としていきたいところでしたが・・・
D.過去同等問題または類似問題の全問正答
当然これは必須である。これだけでは合格点に届かないが、過去10回分を暗記すればAを除き20点前後はとれる。
以上当たり前で参考にならないかもしれませんが、小生としては実際、
A はたいてい毎回実行できました。
B は毎回都合よく出題されるとも限りませんでしたが、されたときはできました。
C は、そこそこの実行(合格したときは20点中8点しか取れなかった)。
D もそこそこでした(勉強不足である)。
いつもながら悪い癖でわかってはいるが試験日間近だけ勉強をし、ダラダラと受験してようやく合格する小生である。
なお、この資格試験の受験に関してすべて自己負担であり、小生は地方公務員という位置付けである以上、この資格を取得して昇格もなければ、民間電気通信会社のように受験料の補助や取得後の一時金または昇給もありませんでしたが、小生は悲しくも不本意ながらも独身である。
このことから、経済的にゆとりがあり、また張り合いもない孤独な毎日であったため勉学に励み(?)今日に至り、なんとなく合格したしだいである。
しかしひたすら独断での苦闘の日々でした。小生の身の回りでこの資格を取得や勉強している人はまったくいませんでした。
ですが、資格マニアとあざなされていることは伊達ではありません。時間と資金さえあれば物理科学特に電気に関する好奇心と学ぶ楽しさはだれにも負けないつもりである。
最近思うのだが、自分が勉強してきたことの証としてライセンスの証明書として残すことが生きがいではないのでなかろうかと思うこのごろです。
切磋琢磨だが、いくらすばらしいライセンスをいくつも持っていたとしても、使わなければただの紙切れである(ちょっと虚しい?)。
いざ合格してからいろいろとこの資格について調べてみたが、電気通信業以外ではあまり目立たない(役立たない?)資格であり、「IPネットワーク管理・人材研究会」の報告書をみる限り、電気通信業界では取得推奨していても実際選任されている人はそれほど多くはないようである(ほとんど営業にまわされている?)。
受験者の拡大を図るために最近さまざまな改革をしたようだが、いまいちまだ起爆剤が足りないようである(建設業においても、ほとんど浸透していない)。
よほど電気通信役務業務に専属にどっぷり浸かり、専門中の専門の職務でない限り、あまりにもマニアックな資格であるようだ(名称が似ている「電気主任技術者」とは処遇がえらい違いだ)。
合格通知の余白に書いていたが、日本データ通信協会で「電気通信主任技術者資格者証保有名簿」なるものを作成しているみたいで、その案内を送付できることがちょこっと載っていた。
とりあえず、メールして取り寄せてみたが、電気通信事業者等からの有資格者の紹介に使うそうだ。登録に毎年経費がかかるうえ、この資格を取得して転職を気ながに考えている人か学生のようなよほどフリーな人しか登録の意味がないように感じた。無論登録しなかったが。
そういえば、平成21年度第2回は、例年に比べ合格率が低かったから難しかったのかと思ったが、平成21年6月30日の改正に伴い新規受験者が増員したためと思われる。このまま受験者及び取得者とも増えてもらいたいものだ。
この伝送交換主任技術者の取得をとおしてさらなる資格、工事担任者や第一級陸上無線技術士及び線路主任技術者の取得を目指したいと思うこのごろである(その前に嫁さんもらいたいな)。
最後まで読んでくださったかたには感謝申し上げます。今後とも皆さまのご健勝とご活躍をお祈り申し上げます。