受験体験記(CIMA様)

令和4年度第1回 (2022年7月) の試験で伝送交換に合格されたCIMA様 の体験談です。

(レイアウト・着色等の強調・編集は主に管理人が行っています。)

自己紹介と受験科目

某データセンター(北海道総合通信局管内)に勤務しています。ネットワーク、移動通信関係の業務に従事しています。

電気通信主任技術者の選任を要する電気通信事業者で、この度合格しましたので、選任される予定です。

これまでに取得した資格は、以下の通りです。

受験結果(自己採点)

令和4年度第1回

学習方法等

全体としては、システム、法規を先に片づけて、できるだけ長い期間を設備の学習に充てることが最善の戦略かと思います。

私も当初は、まずはシステム・法規を確実に合格する方針でしたが、運良く設備も同時に合格できました。

設備

設備は試験制度改正から回数がまだ浅く、需要のある情報かと思いますので、少し詳しく記しておこうと思います。

まず第一に、これから受験される方々が知っておくべきことと思うのは、令和3年度の試験制度改正は、形式的なものではなく本質的なものだということです。つまり、単に専門科目がなくなり設備科目に統合されたという解釈では全く不十分で、現在から今後における実用の設備管理技術に適応した内容に更新されたものと認識する必要があります。

そのことは、制度改正に至るまでの情報通信審議会における議論を参照すれば、明らかです。少し長いですが、以下に重要箇所を引用します。

通信ネットワークのIP化・ソフトウェア化・仮想化の進展や設備構成や通信障害の多様化・複雑化等に伴い、事業用電気通信設備の監督を担う電気通信主任技術者においては、伝送交換と線路の両方に共通して、現在の専門科目にはない「ソフトウェア技術」やソフトウェアで制御される論理的なネットワークに関する設備管理の知識、これらに関する実効的な管理体制や障害対応を含む「業務マネジメント」の知識・能力が求められる傾向にある。

また、ハードウェアを中心とする物理的なネットワークも引き続き並存するため、その設備管理の知識・能力も同時に求められており、さらには、伝送交換の専門科目となっている「通信電力」に関連して、通信局舎・電源・空調・ファシリティ等を含めた通信インフラの保守・管理や災害時の応急復旧のための「通信設備技術」の知識・能力も重要とされている。

これらに関連し、ネットワーク設備の管理においては、サイバーセキュリティのみならず、重要インフラを防護する観点からの物理的なセキュリティに関する知識・能力も必要となってくる。

他方で、例えば、伝送交換の専門科目となっている「伝送」「交換」「データ通信」の棲み分けや関係性が曖昧になっている、伝送交換の専門科目になっている「無線」は現在は中継系よりもアクセス系(線路)に近い位置づけになっている、線路の専門科目になっている「通信土木」や「水底線路」の受験者数が特に少数傾向で推移している、といった課題も顕在化している。

さらに、技術の進展等により通信ネットワークの維持・管理・運用には多種多様な専門知識・能力が求められていく中で、電気通信主任技術者の資格取得時には難解かつ多岐にわたる試験により習得させ、資格取得後(選任後)には広範な監督責任を担わせることには限界があり、一定の専門性に応じた柔軟な試験科目の受験や合格を可能とする運用や、選任された資格者の柔軟な分担配置を可能とする運用等が必要である。

[情報通信審議会『IoTの普及に対応した電気通信設備に係る技術的条件 一部答申』 ] pp.32-33.

その他、以下のリンク先が参考になります。

改正後の出題傾向から「データ通信専門が有利」という意見も多く見られますが、その表現は本質的ではなく、現在の実用の伝送交換設備から総合的に見た場合、それが適切な出題なのだということだと考えられます。

その上で、試験制度改正後全3回の問題構成は、以下の通り全9問で共通しています。これからの伝送交換主任技術者に必須の知識は、これらの要素に還元されるということでしょう。

この構成については、おそらくしばらくは変わらないと思われます。

このように眺めると、問5,6,8,9については、応用情報技術者試験の参考書を使った学習が、かなり有効なのではと感じます。先に応用情報技術者試験を受験する、というのも(それはそれで簡単ではないですが)一つの選択肢かもしれません。

※毎年改訂されますので、最新版を確認して下さい。

令和04年【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本

かく言う私も、冒頭の通り、データセンターでの業務経験に加え、応用情報技術者試験、情報処理安全確保支援士試験を受けてきたことによる知識の蓄積が、かなりの程度合格に寄与したという感覚があります。

その他の問題については、旧制度時も含めた過去問題に取り組むのがベストだと思います。

電気通信主任技術者試験 これなら受かる 伝送交換設備及び設備管理(改訂2版)

問2については、毎回VoIPが出題されているので、ここはしっかり詰めておいた方が良いでしょう。

制度改正に対応した参考書は、現在(2022年8月)のところ、以下しかないと思われます。

令和04年【春期】【秋期】応用情報技術者 合格教本

不評のレビューも多く見られますが、他にベターな書籍がないのも事実です。実務経験がなく、どこから手を付けて良いかわからないという方は、とりあえずこの本を読んで雰囲気をさらうのもありかと思います。

あまりネガティブなことは書くべきではないとは思いますが、事実として、インフラ設備周りの実務経験がないことは、この科目では大きなハンディキャップになると思います。なぜかと言うと、実務経験があれば各分野の知識の関係性が感覚的に掴めるからです。

逆に言えば、実務経験がないと、体系的な教材もないので、各分野の知識がどうしても断片的になりやすいでしょう。その点で、受験者各自のこれまでの経験値と試験合格までの距離感を、ある程度把握することが大切だと思います。

全体的には、漠然と過去問題を反復するのではなく、この問題構成、つまり「いまは9問中どの問題の学習に取り組んでいるのか」をしっかり意識して学習を進めることが重要だと思います。

また、制度改正後の問題の蓄積が浅い状態ですから、法規、システムとは異なり、ある回で何点取れたかという基準で進捗を判断すべきではないでしょう。あくまで各問題別にどれだけ学習できたか、知識を蓄えられたかという点を重視すべきだと思います。

法規

法規は、最初から過去問題の演習で良いと思います。結局、条文の暗記ですし、参考書も正しい条文が書いてあるだけなので。

その代わり、演習後に問題文のどこが誤りなのかは、きちんと確認しましょう。以下のサイトが、頻出範囲がよくまとまっていて、おすすめです。

私は平成28年度分から演習しました。平成31年度第1回だけ、なぜか40点しか取れない難しい回でした。

アドバイスとしては、条文を一言一句暗記しようとするのは非効率かと思います。受けた方ならわかると思いますが、「耐震措置」とか「音響衝撃」とか「風圧荷重」とか、誤り方が同じ問題が繰り返し出題されているので、ポイントを掴んでうまく覚えるのが良いと思います。

システム

システムは、いきなり過去問題をやっても解き方がわからないと思うので、以下の問題集を1周することをおすすめします。

電気通信主任技術者試験 これなら受かる 電気通信システム(改訂2版)

その後、過去問題に取り組みましょう。

システムも、私は平成28年度分から演習しました。5年10回分程度やれば、合格圏内には入ると思います。

あまり声を大にしては言えないですが、インピーダンスとか面倒くさい交流計算は捨ててしまっても合否には影響しないと思います。少なくとも私は捨てました。笑

試験後の日程記録

  1. 7/10(日):試験日
  2. 7/13(水):正答発表 → 自己採点
  3. 8/1(月):合格発表
  4. 8/5(金):合格通知書(はがき)配達 → 同日交付申請書(簡易書留)投函
  5. 8/8(月):交付申請書 総合通信局 配達
  6. 8/16(火):資格者証 交付(資格者証に記載の日付)
  7. 8/19(金):資格者証 総合通信局 発送(簡易書留)
  8. 8/20(土):資格者証 配達