受験体験記(sumito様)
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平成22年度 第2回 伝送交換(交換)合格
平成23年度 第1回 線路(通信線路)合格
1.初めに
平成22年第2回で伝送交換(専門:交換)、平成23年第1回で線路(専門:通信線路)に合格
誰かのお役に立てたら幸いです
浅瀬野氏を始め、先輩方、書籍の執筆者、偉大なる現場の方々に感謝を
要点
- 法規はWeb上の法令で十分
- 過去問pdfはCTRL+SHIFT+Fで一括検索できる
- 国会図書館が便利
- 線路では『現場で役立つ 通信設備のトラブルQ&A』の書籍が必須
略歴
- 工事担任者AI・DD総合種を大学時代に取得、これにてシステムを免除
- 仕事は定時上がりが多い(あまり関係ない仕事に従事)
- 工学系の学科を卒業しているが、根は文系
- 東京在住
- 書籍の感想などは全て所感です、最短では1冊あたり数分も見ていません
2.伝送交換主任技術者
伝送交換合格までの流れ
2010年(平成22年)1月くらいから勉強開始、2010年7月の試験にて、システムを除く3科目を受験→法規、専門の交換を科目合格(伝送交換設備は不合格)
2011年(平成23年)1月の試験にて伝送交換設備を取得し、合格
伝送交換の勉強
購入した書籍
- 電気通信主任技術者試験 全問題解答集1<共通編>
- 電気通信主任技術者試験 全問題解答集2<専門編>
- 新情報通信概論
- ディジタル交換の基礎用語
- わかるAI・DD総合種[技術・理論]改訂版
- わかる情報セキュリティ(著:佐藤 健)
- 実務に役立つ 光ファイバ技術 200のポイント
法規
- 私見では法規が一番簡単だった印象。
- 自分が文系寄りである事、加えて正答が明示されている点が良い。参考書は購入せず、WEB上の法令のみを使用
- 法令データ提供システム
http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
(編注:法令データ提供システムは2017年よりe-Gov法令検索に移行しました。)
- 工夫した点
印刷した過去問にWEB法規の条文No.を記載
ノートに各法令ごとに条文No.を順番に記載、出る傾向を把握
- 法令の前書き(1条など)は覚えにくいが、最も大事(出題率も高く、その法律の目的も分かる)
専門(交換)
- 自分にとっては、一番取得できそうであったため選択
- データ通信、伝送は現実的に取れそう、無線はやや難しい、通信電力はかなり難しそう
- 理工出版の過去問、リックテレコムの参考書(特に呼量)、以下のNTTとITproの用語集を利用。不明点はWEB検索
- NTT 情報通信用語集
http://www.ntt-review.jp/yougo/index.php
- 辞書 : ITpro
http://itpro.nikkeibp.co.jp/dictionary/index.html
(編注:IPproの辞書は2017年現在廃止されたようです)
伝送交換設備
- 理工出版の過去問にて4,5週分を実施、
新情報通信概論、NTTとITproの用語集、WEB検索を利用
JISは全てWEB、信頼性はひろいん氏のページを利用
- 試験にて
(数年なかったので)FITの出題は予想外だった、ディメンジョンチェックが大事
システム
その他(伝送交換)
- 伝送、データ通信、交換の3つは前半が同じ問題
- 2010年1月くらいから開始、1・2ヶ月前から土日に数時間
平日は通勤往復の合計2時間+2時間程度
- 自宅のプリンタにて何でも印刷するようにした
試験前のみ、PCにて各問のア~エの文章問題の空欄を実施、誤った箇所を覚え直し
- 伝送交換としては、『実務に役立つ 光ファイバ技術 200のポイント』は役立たなかった
- 理工出版の過去問2冊(線路設備、専門)は参考程度に利用(科目ごとに切断)
正答も誤答も自分で調べ直し、全くの不明点のみ過去問の解説を参照(特に通信電力など)
誤りが多く、最初から自分で調べた方が良かったと感じた部分多数、
この2冊の過去問は無くていいかも
- 資格者証の交付申請の写真は高くてもケチらない
(資格者証が届くまでの1ヶ月強、返送の不安材料となった)
3.線路主任技術者
線路の流れ
2011年2月後半(伝送交換に合格した後から開始)~2011年7月まで勉強
2011年(平成23年)7月の試験にて線路設備と通信線路を受験、合格
購入した書籍
実務に役立つ 光ファイバ技術 200のポイント
やさしい光ファイバ通信
水底線路
種本があるが7000円前後、国会図書館が有効
線路設備
- 伝送交換にて法規とシステムを免除
理工出版の過去問は購入せず(伝送交換の傾向から、誤答が多いと予想したため)
- 初心者系のブログも出来る限り参考にせず、自分で調べた確度の高い正答を採用
ただし、ペース配分が悪く、試験日までに暗記・過去問の繰り返しを実施する時間がかなり足りなかった
- 一通り正答を導いてから理工出版の線路過去問集を確認したところ、誤答が多い回もあったが、全体的に、さほど間違いは多くなかった(特にここ数年分)
→幾つかの種本を把握している事が解説から読み取れる
- それぞれ過去問を平成14年分からほぼ全て印刷して数週した
自分のポイント(PC、AdobeReader、過去問のpdfがある場合)
- AdobeReaderにてCTRL+SHIFT+Fでフォルダ内の一括検索が可能
→正答を一番確実な過去問から探せるのが利点
- ただし、フォルダ選択は毎回行う必要があり、やや不便
docファイルなどは予めpdfファイルに変換しておくと検索に引っ掛かるかも(未実施)
その他(線路設備・通信線路)
出題に関して
- 通信線路、水底線路の2つは前半が同じ問題
- 試験にて、過去問では見たことのない問題が複数あったが、各専門書を十分に理解できていれば分かりそう(専門書で見かけた単語が幾つかあった)
- 4つの文章の内、1つが誤りとすると、その1つの誤りが分からなくとも、3つが正しいと分かれば解答を導ける
- 私見では、誤りを含む文章は、1文章あたり2つの誤りが含まれる事が多い
- 理工の過去問集では1つの誤りのみを指摘している場合があるので注意した
- →1文章中の1つの誤りが見抜けなくても、もう1つが見抜ければ解答が導ける
- →出題者も見逃しを考慮した作りにしているように見受けられた
- ※ただし、明らかな間違いの場合は1文章あたり1つの誤りである場合あり
- 誤りがある文章では、入れ替えると正答になる場合が多々ある
(~をAといい、…をBという → ~をBといい、…をAという 等)
- 2011年(平成23年)7月 通信線路 問5キは『光ファイバ通信 導入実戦ガイド』を参考に、試験後に算出できた。図と式がどういう意味か、単位を正確に把握する必要あり
- 地震関連の問題が多いと予想したが、意外に線路設備・通信線路では見当たらなかった
通信土木はあった模様
※「応急復旧」などは一般知識として知っておいて損は無い
- 通信線路の計算問題は応用が必要(23年度第2回の試験から学んだ)
勉強方法・受験に関して
- 自分は一人で勉強した方が効率が良いが、モチベーション維持がやや大変だった
- 時間配分の確認用として、幾つか過去問を通しで実施し、ペースをつかむと良い
- 勉強時間:平日は通勤の行き帰り+2時間程度、土日は6時間前後
- 震災や仕事で勉強できない期間があった
- 過去問自体は大体3周はしてるはず(暗記では無い、暗記は間に合わなかった)
- 分布定数回路は暗記しかなかった、計算式からどういう結果が読み取れるかは導けなかった
- 夏は予想通り試験会場が空調で寒いため、上着を準備した
各種情報源について
- いろいろな書籍を国会図書館で借りて正答を調べるようにした
- 国会図書館は午前の方が空いている(平日・休日を問わず午後はそれなりに混雑する)
- 通信土木は『情報流通インフラを支える通信土木技術』以外に種本が見つからなかった
(『情報流通インフラを支える通信土木技術』と『新情報通信概論』は一部内容が同じ)
- ひろいん氏の信頼性計算は伝送交換の時に勉強しただけで、線路時はざっと確認した程度、
JIS・セキュリティも同様 →伝送交換から続けて勉強して良かった点
- 専門の水底線路は興味深い内容だったが、参考書が高かったので回避
(結果的には通信線路よりも安いかも)
※ただし水底線路:過去問1.5年分くらい、通信土木:過去問1年分くらいはチェックした
- JISは、図書もWEBも分かりにくいが、WEBの方がすぐ見れて便利であった
→JISにて、「位相法」などは少し役に立ったが内容が難しくてあまり理解出来なかった
→最新(23年第1回)にて出題された・・
- NTTの復興状況資料や、震災後の画像などは役立つ場合が有るかも
線路を勉強してると、液状化やマンホールの突出/蓋鳴りなどの原因や対処が分かる
(実際にそれが原因かは別として)
伝送交換、線路を通して
- 忙しい仕事をしてる人は困難、線路であれば過去問集の購入を推奨
(線路の過去問の精度はそれなりに高い)
- 勉強方法も内容の把握も、自分で考える力が必要
- 学生の頃に取るのは大変だが、学生の内が勉強に一番時間を取れる
- まっさらな状態の過去問を1,2週間前から実施、弱い部分を確認
(ここから数週間かけて実施してから受験する方が望ましかった)
- (PCの代わりに)スマートフォンで色々な事柄を調べるには、
情報量・見やすさの観点から困難だと推測
- 問題文をよく読む
- 単位に気を付ける
- 過去問の各問のア~エは、正答の宝庫。
過去からの出題率も高く、基礎を正確に学べる。
自分の場合、通信線路では3点問題を結構落としたが、2点問題はかなり取った
今後について
容易でないと思うが、基地局の管理、線路の現場などの仕事に携わり、以下2点に役立つ事が出来たら嬉しい
付録:参考図書の感想
★:種本の宝庫
●:結構役立つ
過去問
- 共通編(全問題解答集1)
- 解説の精度が良くない、分からなかった時の最終手段
- 専門編(全問題解答集2)
- 解説の精度が良くない、分からなかった時の最終手段
- 線路編(全問題解答集3)
- 上2つよりは解説の精度が高い
交換科目
- わかるAI・DD総合種[技術・理論]改訂版
- 呼量の計算に特に利用、厚いので部分的に切り取った
- ディジタル交換の基礎用語
- 必要そうな部分のみ利用
- わかる情報セキュリティ(著:佐藤 健)
- 見やすい、分かりやすい、伝送交換の試験ではほぼ出題されなかったが、基礎を養うのに役立った
線路設備
- ★現場で役立つ 通信設備のトラブルQ&A
- NTTの方々が執筆、頻繁に改版される至高の種本
- 例えば平成23年度第1回 線路設備 の18点分くらいが該当
- (『200のポイント』より見やすく、写真も豊富、線路全般に適している)
- 通信線路にも利用可能
- ●光ファイバ通信 導入実戦ガイド
- ・張力計算などは特に役立つ
- ・細かいコネクタもあり、数値も細かい
- ・通信線路にも利用可能
- ★経済比較法入門
- とても古いが、線路設備の過去問にある『経済比較』などの部分はこれが種本である事が伺える
- 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理・法規編(NTTラーニングシステムズ株式会社)
- セキュリティ、管理やQC、安全管理、信頼性あたりが線路では使えそう
- ★安全法令ダイジェスト テキスト版/ポケット版
- 良書(試験後に気付いた)
- 強度率、度数率、移動式クレーン、玉掛け、高所作業、足場、酸素欠乏、硫化水素、安全担当者の分類、KYTなど多数掲載
- ポケット版の巻末に、テキスト版と同じ内容である事が記載されているため 最新の出版年かつポケット版がベスト、安価でもある
通信線路
- ●実務に役立つ 光ファイバ技術 200のポイント
- 良い
- ●やさしい光ファイバ通信 改訂3版
- 良い
- お互いに一部重複あり
水底線路
- ★光海底ケーブル通信
- 良い、一級品の種本だが、値段が7000円程度
- 光海底ケーブル
- 前書きに、電気通信主任(水底線路)向けの記載あり、種本というより上記書籍の後出し?
通信土木
- ★情報流通インフラを支える通信土木技術
- 種本、散らばっていて読みにくい
その他(線路)
- 新情報通信概論
- 概略、通信土木部分は役立つが『情報流通インフラを支える通信土木技術』と重複あり
- 線路作業の安全法令図解集
- 種本の可能性があるが、国会図書館に蔵書はなく未確認(通常の流通には出回っていない)
- 情報伝送入門 (昭晃堂)
- まぁまぁ
- 有線伝送学
- あまり
- 光ファイバ通信入門(啓学出版)
- あまり(細かい記載は多い)
- 光ファイバ通信(コロナ社)
- まぁまぁ(記載自体は分かりやすい方)
- 絵とき電験三種完全マスター 電力
- まぁまぁ
- (記載は分かりやすいが、あまり線路には被らない感じ。各発電、変電、電線、誘導や雷害、ディーゼルなどは良い)
- 送配電工学(電気学会出版)
- 改訂版あり、専門性が高い、電線、ケーブル、防食、電柱、モーメント、保護継電
- 通信アクセス設備デザイン ―光ファイバアクセス時代に向けて―
- 交換、伝送設備には良さそう、全体的に概要程度
- 国際通信システムの基礎知識
- まぁまぁ、2次定数も数ページ、海底ケーブルと通信衛星がまぁまぁ有る
- 交換、データ通信にも行けるかも
- 新情報通信早わかり講座1
- まぁまぁ、線路はほぼ無し、伝送設備向け、概略が多い
- 光ファイバ通信の仕組みがわかる本
- なかなか
- 光ネットワーク技術のすべて
- まぁまぁ
- やさしい光アクセスシステム
- 本当に「アクセス」系、交換、伝送設備、伝送、データ通信あたり
- 情報通信ネットワーク -システムとサービス-
- 「伝送交換」全体、共通線信号方式もあり、交換は特に役立ちそう
- 巻末のトラヒック理論、主な番号割り当て、略号一覧は評価できる
- やさしい次世代ネットワーク技術
- 新しい箇所の技術、関連するものは古い技術も掲載
- これから先の「伝送交換」の主体になれそうな本
- 電気通信技術者のための電気理論
- まぁまぁ、電気通信システム部分、基礎としては良いが分布定数は載っていない、よって線路には不向き
- ブロードバンド時代のマンション・オフィスビルの配管・配線設備ガイドブック
- 規格などの専門に特化、細かすぎる
- 次世代インターネット技術(加納ほか)
- 将来的な技術、未来にはここから出る可能性があるかも
- ユビキタスサービスネットワーク技術
- 将来の技術、詳細な暗号集
- 情報セキュリティ技術(伊土ほか)
- 一部分のセキュリティ、「耐タンパ性」などの記載はあった