このページは平成24年度第2回の伝交設備についてのメモと感想です。
難易度(5段階評価)は人によりけりですので、何とも言えない部分もありますから、あくまで管理者個人の感想として受け止めて下さい。
分からない用語は、たいてい検索エンジンにお伺い立てれば出てくるはずです。一応、手持ちの書籍で参考にしたものは文献として挙げてあります。ただし、あくまで手持ちなので、最適な参考文献とは限りませんので、あしからず。
なお、情報セキュリティ関連に弱いので、間違いとか勘違いに気付いたら、ご指摘プリーズです。
※今回は多忙のため、だいぶ遅れてます。まぁ理工出版の問題集が発売された直後ですし・・・。転載・利用許可は不要です、適当に使って下さい。
■キーワード
JIS Q20000-1,JIS Q27001,JIS Q9001,ISMS,ITSMS
■難易度:5/5
■同一過去問
なし
■類似問題
なし
■コメント
新問だが、何か腑に落ちない。ITILでも流行って来たのでしょうか。ともかく、最近はJIS Qシリーズの出題がパターン化してきた模様。
■参考文献
図解入門ビジネスISO20000 2011の基本と仕組みがよ~くわかる本
JIS規格書
(ア)の選択肢
一般的にはISO Q20000-1ならばITSMS(IT Service Management System)と答えるのが筋だが、ISOの日本語版であるJIS規格から問われているので、驚くことにIT=「情報技術」が正解となる。確かにそうなのだが、問題として扱う意味がやや不明。サービス問題なのかもしれない。
(イ)の選択肢
今ひとつ問題の出題意図が分からないもの。4つの図から選ぶのだが、なかなかピンとこないものがある。
歴史的にISO9001→ISO20000→ISO27001と制定されて来ているのと、互いの整合性を意識して用語が選ばれているのは確か。
引用関係がある他にも、ISO20000-1序文には、下記のような記述もあります。
ISO9001が全産業を広く網羅した概念であり、包括関係のもっとも上位に来るのは分かりやすいので、図3と図4が残る選択肢。
あとはISO20000と27001に重複部分があるのか、全く独立しているのかの選択。
上記引用や、ISO20000-1 3.11 情報セキュリティと3.12 情報セキュリティインシデントは、ISO27001用語からの採用である事情などから、図4を選択することとなる。
(ウ)の選択肢
設問自体に誤りがあると思われるもの。「JIS Q 20000-1の」としているが、1部の第3章には該当するものはなく、「JIS Q 20000-2情報技術-サービスマネジメント-第2部:実践のための規範」からの出題です。
3章 マネジメントシステムには、下記の内容が列挙されています。
よって、「文書化に関する要求事項」が最も適切な解答となります。問題自体は適切なものと思うのですが、玉に疵ですね。
(エ)の選択肢
かなり無理がある設問に感じる。
a)・・このプロセス群は、[ ]として組織内に配置される。
b)・・を認証基準とする[ ]とは・・・
ここから、ITSMSを即座に当てはめられそうにない。「SMS」や「サービスマネジメントシステム」という選択肢があれば、JIS規格にも図として明記されているので、それ一択でしょう。
「認証基準」であれば、QMS,EMS,ITSMS,ISMSという用語が出てきやすいのですが、ISO関係の仕事をしていないとピンと来ないようにも思えます。
ただ、QMS(品質/ISO9001)やEMS(環境/ISO140001)などは勤め人なら聞いたことがあり、除外はしやすい。
ISMS(情報セキュリティ/ISO27001)も知識があって除外できるという前提なら、まぁ何とかたどり着くことができるかな。私はかなり悩みました。
■キーワード
JIS Z8101,単位体,ロット,検査,全数検査,間接検査,工程管理
■難易度:4/5
■同一過去問
なし
■類似問題
なし
■コメント
新問で、比較的基本的な事を問われている。前問のIT品質と本問の生産品質が並んで出ると頭が切り替わりにくい。
■参考文献
JIS規格。
(1)「単位体」の選択肢
アイテムと言ってもらうと分かるが、単位体と呼ばれると途端に分かりにくい。「ロット」の説明内容となっている。
(2)「ロット」の選択肢
内容が「単位体(アイテム)」になっている。たぶんすぐに気づけるはず。
(3)「検査」の選択肢
内容が「合格」(JIS Z8101 4.8)の内容になっている。誤回答だと分かりやすい。
(4)「全数検査」・「間接検査」の選択肢
間接検査の項が誤り。JIS Z8101 4.1「抜き取り検査」の項目である。ここが引っかけと思われる。
(5)の選択肢
内容通りで正しい。
JIS 品質用語まとめ
工程管理 (JIS Z8101 1.2)
工程の出力である製品又はサービスの特性のばらつきを低減し、維持する活動。その活動過程で、工程の改善、標準化、及び技術蓄積を進めていく。
検査 (JIS Z8101 1.3)
品物またはサービスの一つ以上の特性値に対して、測定、試験、検定、ゲージ合わせなどを行って、規定要求事項と比較して、適合しているかどうかを判定する活動。
全数検査 (JIS Z8101 1.4)
製品またはサービスのすべてのアイテムに対して行う検査。
間接検査 (JIS Z8101 1.5)
購入検査で、供給者が行った検査結果を必要に応じて確認することによって、購入者の試験を省略する検査。
単位体 (JIS Z8101 1.6)
個数で数えることができるように、一つ一つが明瞭に分かれているもの。
ロット (JIS Z8101 1.7)
等しい条件下で生産され、又は生産されたと思われる品物の集まり。
■キーワード
JIS Z8101,測定結果,誤差,真度,精度,かたより
■難易度:3/5
■同一過去問
なし
■類似問題
なし
■コメント
新問のようである。測定に関する基本的な事が問われているので、個人的には良問の部類と思う。
■参考文献
JIS規格、強いて挙げれば「電気計測基礎(電気学会)」だが内容が古く、現行JISに合わない。
(1)「測定結果」の選択肢
まぁ、そんなものでしょう。(JIS Z8101 2.4)
ただし正確に覚えていられるか難しい所ですので、意外に誤りが入ってないか疑心暗鬼になる。
(2)「誤差」の選択肢
測定に関する最も基本的な事項。ε=M-T式です。(JIS Z8101 2.4)
(3)「かたより」の選択肢
3σ限界って誰が決めたの?と気づければ即間違いと判定できる。
正解は「観測値・測定結果の期待値から真の値を引いた差」(bias)です。(JIS Z8101 2.6)
(4)「真度」の選択肢
真度(trueness)って使った覚えが無い用語ですが、一昔前なら「確度」といってた用語ですね。(JIS Z8101 2.7)
(5)「精度」の選択肢
精度(precision)は、同一条件で繰り返し測定したときのばらつき具合を表現しています。(JIS Z8101 2.9)
■キーワード
ランダム誤り,バースト誤り,瞬断,スリップ,ジッタ,ワンダ
■難易度:5/5
■同一過去問
なし
■類似問題
なし
■コメント
ほぼ、新問のようである。
■参考文献
ITU-T G.810,G.820。強いて言えば、「デジタル伝送用語集5版」「データ伝送の基礎知識」だが歯が立たなかった
(1)ランダム誤り
ランダム誤りが散発的に発生するのは正しいが、伝送路のパス切り替えやフェージングでランダム誤りが出るわけはない。バースト誤りか、瞬断が正しいでしょう。
(2)瞬断
熱雑音は、ガウス雑音でランダム雑音の代表格ですから瞬断の原因にはなりにくい。
接触不良は一つの原因と考えられるが、メタル伝送路のイメージが強い。もっとも、デジタル伝送路網を前提にしているのに、光ファイバ増幅器に限定している点で怪しい。
(3)スリップ
ITU-T Gシリーズ規格の定義からの出題。正しい。
ITU-T G.822 (TTC JTG.822 ディジタル網におけるスリップ率)からの引用
スリップとは、網ノードにおいて受信した信号の位相変動を バッファメモリによって吸収出来ない場合に入力信号の二度読みまたは 欠落が生じる現象を云い、スリップが生じた場合、一般にユーザからは ディジタルエラーとして観測される。
(4)ワンダ
ワンダ(Wonder)は10秒未満の位相ゆらぎを指し、それ以上の短周期変動がジッタ(Jitter)と呼んでいる。(ITU-T G.810など)
ITU-T G.810 (TTC JTG.810 同期網に関する定義と用語)からの引用
ジッタ(Jitter): 時間軸上の理想的な位置に対する、タイミング信号の短期的位相変動 (ここで、短期的とは、変動が10Hz以上の周波数である場合を意味する)。
ワンダ(Wander): 時間軸上の理想的な位置に対する、ディジタル信号の長期的位相変動 (ここで、長期的とは、変動が10Hz未満の周波数である場合を意味する)。