資料: 無線従事者資格マニアを規定する通達

はじめに

要するに上位資格を所持している人が下位資格を取得できるかについての通達です。法令集を探しているときに偶然見つけたので、参考資料としてまとめました。

多分、そういう人が出てきた時期なんでしょうね。

無線従事者の資格を有する者の他の資格の国家試験受験について

無線従事者の資格を有する者の他の資格の国家試験受験について

昭和五〇年一〇月二八日
波検第一六五号

電波監理局長・沖縄郵政管理事務所長あて
電波監理局長通達

無線従事者の資格を有する者から、その有する資格の操作範囲の一部を操作範囲とする他の資格を取得するために無線従事者国家試験申請書が提出された場合(例えば、第一級無線通信士が第二級無線技術士を受験する場合等)は、無線従事者操作範囲令及び無線従事者規則(以下「従事者規則等」という。)第二節の規定の趣旨にかんがみ今後左記により取り扱うこととするから了知されたい。

  1.  無線従事者の資格を有する者から、その有する資格の操作範囲の一部を操作範囲とする他の資格(以下「下級の資格」という。)の試験の受験申請があつたときは、その申請者に対し、当該下級の資格を取得する必要のないこと等を説明の上、これを取り下げるよう指導するものとする。
  2.  申請者が前項の指導に従わない場合は、これに応ずるものとする。この場合において、当該申請者に対しては、従事者規則第六条の規定による試験の免除は行わないものとする。ただし、次に掲げる場合はこの限りではない。
    1. (一) 既に当該下級の資格の試験を受けた者(従事者規則第六条の規定により、免除を受けて当該試験を受けた者を除く。) であつて、次に掲げる者。
      1.  その予備試験に合格した者
      2.  その予備試験に合格し、かつ、本試験において合格点を得た試験科目(電気通信術を含む。以下同じ。)のある者
      3.  その電気通信術の試験に合格点を得た者(当該下級の資格が予備試験及び本試験の別のないものの場合に限る。)
    2. (二) 現に有する資格の試験に合格する前において、既に従事者規則第六条の規定の適用を受けて当該下級の資格の本試験を受け、合格点を得た試験科目のある者

解説

この通達は少なくとも昭和60年頃までは生きていたようですが、今もなおこの通達が生きているかは定かではありません。しかし、法規には「上位の資格を取得している者が下位の資格を取得してはならない」とはどこにも書いていないので、多分大丈夫ではないかと思います。

また、WEBでは、下級資格を取得した人物からの報告がちらほらと見られます。

2chスレでの分析によると、昔は受験料が非常に安く、800円あればどの資格でも受験できたようで、税金の無駄遣いと怒られた人もいたそうで・・・。今なら、当時とは比べ物にならないほど受験料が高騰しましたので?、ある程度は大目に見てくれるようです。

なお、参考までに現在までの主な変更点を書いておきます。

「無線従事者操作範囲令」は、平成2年から「無線従事者の操作の範囲等を定める政令」また、平成13年からは「電波法施行令」に全面改正されてます。無線従事者規則も名称は同じですが平成2年に全部改正となりました。

「予備試験」は廃止されて、大部分が「無線工学の基礎」に組み込まれています。当時は予備試験に合格してからでなければ本試験を受験できませんでした。