このページでは電気通信主任技術者試験の科目概要を紹介しています。
電気通信主任技術者は、ネットワーク全体を統括する管理者という立場にある関係上、個々の専門技術試験とは異なり、様々な技術に精通しなければなりません。この点、特定技術のみについて高度に問われる工事担任者や無線従事者等と異なる傾向です。
特に2021年度以後は専門科目が廃止され、サーバ・ソフトウェア技術の出題も法的に明記されました。従来よりも仮想化(SDN・NFV)を意識した出題が重視されてきています。
新試験の出題範囲目安として電気通信主任技術者スキル標準(PDF)が総務省より発表されています。設備管理を受験予定の方はいちど軽く目を通しておくとよいでしょう。
また、実際の新制度過去問題は公式URLで公開されています(PDF) 試験問題・正答(データ通信協会)から、そちらを見る方が早いかもしれません。
伝送交換・線路で共通の問題が出題されます。試験は午後に実施されるものの「基礎科目」的な扱いです。
非常に基礎的な電磁気学や電気工学、または通信設備の基本部分の出題で全20問からなります。
個々の問題はとても簡単なものが多いですが、出題範囲の広さが難易度を上げており、免除が効くことも多いため、避けられる傾向にあります。
伝送交換・線路で共通の問題が出題され、電気通信事業法を中心に有線法、電波法、不正アクセス法、条約などが範囲です。
出題形式が16択1式など非常に意地の悪い出題形式で皆を悩ませ、かつ、受験免除が一切効かない厄介な科目です
伝送交換と線路で異なる問題が出題されます(一部は同一問題が出題される)。出題範囲の広さに加えて問題文にも曖昧さがあって難易度が高めです。
2021年度から旧専門科目が廃止された影響で本科目に一部の専門分野が出題されることになりました。ただし本記事執筆時点では試験が実施されていないため、どのような配分になるかは不明な部分が多いです。
設備の構築や管理に関することに加え、情報セキュリティ、ソフトウェア管理等の内容が中心となります。
(1)電気工学の基礎 |
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(2)通信工学の基礎 |
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(3)電気通信システムの基礎理論 |
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(4)電気通信システムの構成 |
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電気通信システムで問われる事項は、どれも基礎的な事項ばかりです。
問題個々の難易度は易しいですが、出題範囲が非常に広いのが特徴。しかし、認定大学を卒業するか、工事担任者などの他資格を持っていれば、免除対象となることが多い科目です。
出題形式は5択1式で全20問。 60点(12問)が合格ラインです。
伝送交換・線路共に共通の問題が出題されます。
(1)電気通信事業法関連 |
(2)有線電気通信法関連 |
(3)電波法関連 |
(4)サイバーセキュリティ基本法 |
(5)不正アクセス行為の禁止等に関する法律 |
(6)電子署名及び認証業務に関する法律 |
(7)国際電気通信連合憲章と国際電気通信連合条約の大要 |
伝送交換・線路共に共通の問題が出題されます。20点満点の大問が5つでそれぞれから5~8つの小問で構成されます。合格ラインは全体で60%。得点調整等の変動要素はありません。
科目合格する以外に法規を免除するパターンがなく、全員が一度は受験する必須科目です。(伝送交換⇔線路間の科目合格使い回しはOK)
法規は範囲が広く面倒な科目の一つでしょうが、これらの中で主要な出題対象は(1)と(2)であり、他は少なめで範囲も限られています。意地悪な問題が多いと昔から評判の科目で、けして簡単ではありません。
本資格取得後は工事担任者の法規が全免除になります。要は上位互換になるのですが科目合格だけでは免除できませんのでご注意ください。
伝送交換種のみの試験科目です。2021年度より内容が60問(1.5倍)に増えました。
従来は「データ通信」科目を中心に触れられていたソフトウェア系の内容が新しく共通設問として重視されており、最も難易度の高い科目となっています。
(1)伝送交換設備の概要 |
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(2)伝送交換設備の維持及び運用 |
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(3)セキュリティ管理・対策 |
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(4)ソフトウェア管理 |
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線路主任技術者のみが該当します。
(1)線路設備の概要 |
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(2)線路設備の設備管理 |
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(3)セキュリティ管理・対策 |
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本科目においては、光ファイバーケーブルや海底ケーブル又は土木工事系の設問が多くなります。伝送交換に比べ、特に工事に関する知識が必要となるので、これまで情報処理専門で来られた方は戸惑うかもしれません。
2021年度から旧専門科目(通信線路、水底線路、通信土木)が廃止された影響で、1.5倍に内容増となりましたが、内容自体に変更が生じたわけではないため、旧専門科目を部分的に取り込んだ形態になっています。