電気通信主任技術者の受験料改定状況(推移)

令和元年(2019)時点の受験料

18,700円-(免除科目数×700円)

各種試験の中では、けして安いとは言えない電通主任の受験料ですが、何となく、過去の状況を追ってみました。特に、これをもってどうこう言う目的ではなく、単純に歴史的な興味によるものです。

最初の受験料(昭和60年)

昭和60年度第1回試験(1985-07-14)

8,000円

(工事担任者は4,100円に決定。)

根拠法令
昭和60年4月1日 政令第75号 別表第二(施行 昭和60年4月1日)

第1回改定(平成3年)

平成3年度第2回試験(1991-11-17)より適用の金額

10,700円

(工事担任者は第1回試験から5,200円へ。)

根拠法令
平成3年3月25日 政令第51号 別表第二(施行 平成3年4月1日)

第2回改定(平成6年)

平成6年度第2回試験(1994-11-20)より適用の金額

13,900円

(工事担任者は第1回試験から6,400円へ。)

根拠法令
平成6年3月18日 政令第61号 別表第二(施行 平成6年4月1日)

第3回改定(平成9年)

平成9年度第2回試験(1998-01-25)より適用の金額

15,300円

(工事担任者は6,900円へ。)

根拠法令
平成9年3月26日 政令第77号 別表第二(施行 平成9年4月1日)

第4回改定(平成12年)

平成12年度第2回試験(2001-01-28)より適用の金額

15,500円

(工事担任者は6,900円に据え置き。)

根拠法令
平成12年3月31日 政令第172号 別表第二(施行 平成12年4月1日)

第5回改定(平成17年)

平成17年度第2回試験(2006-01-22)より適用の金額

18,700円

(工事担任者は第2回試験より8,700円へ。)

根拠法令
平成17年7月6日 政令第234号 別表第二(施行 平成17年8月1日)

第6回改定(平成25年)

平成25年度第1回試験(2014-01-26)より適用の金額

18,700円-(免除科目数×700円)
(全科目免除時9,500円)

史上初の減額措置です。もっとも全科目受験者は変わりません。

(工事担任者は8,700円据え置き。ただし全科目免除のみ5,600円に減額され,科目合格による減額措置はなし。)

根拠法令
平成23年1月23日 政令第11号 別表第二(施行 平成25年2月1日)

総務省の説明によれば『「検査検定、資格認定等に係る利用者の負担軽減に関する調査結果に基づく勧告」(平成23年10月 総務省)を踏まえて実費を勘案した積算を行ったところ、試験を受ける科目数に応じて異なる手数料を定めることが適当であると判断したことから、電気通信主任技術者試験及び工事担任者試験の手数料を改定する。』とのこと。

他省庁の資格指導のためにも、総務省がまず先鞭をつけたという感じでしょうか。

積算根拠資料の公開情報

近年は、試験料がどのように決定されているかの積算根拠が公開されるようになってきました。

平成17年から平成24年度までの積算根拠

2011年になって、電気通信主任・工事担任者・無線従事者の受験手数料の積算根拠が、総務省より公表されました。(電気通信主任技術者試験[総務省]

これは、「公益法人に対する行政の関与の在り方の改革実施計画」(平成14年3月29日閣議決定)にもとづくもので、 「特例民法法人に対する国の関与等を透明化・合理化するための措置について」(総務省)というカテゴリで、総務省が何をすべきかの情報公開の一環のようです。さかのぼると、第1次小泉内閣の頃の閣議決定が元になっています。

大体、受験者が年間9,400人いるという前提で組まれているようです。平成22年度は9,332名でまぁまぁイイ線かなと思いますが、平成18年度を見ると6,157名で固定費的に見てキツそうですね…。

多少、謎な「人当庁費」という役所にしかない系の予算が入ってるのが、もっともらしいw。ただ、以下の内訳をみるときは、平成17年から適用した金額ということに注意が必要です。

平成17年度以後の電気通信主任技術者受験料積算根拠(単位:千円)
人件費 73,706
物件費 印刷製本費 7,796
会場費 6,909
通信運搬費 6,932
広告宣伝費 5,670
出張旅費 618
交通実費 271
固定資産取得費 8,237
人当庁費 48,092
その他 減価償却引当金 7,617
合計(a) 175,848
想定処理件数(b) 9,400件
1件当たりの費用(a/b) 約18,700 円

平成25年以後の積算根拠

平成25年度から受験科目に応じて受験料が割り引かれるようになりましたが、その前提となった根拠です。 出典は総務省です。総務省|電気通信主任技術者試験(根拠法令:電気通信事業法第48条)

この時点では、受験者総数を8,900人として見積もっていることが分かります。

平成25年度以後の電気通信主任技術者受験料積算根拠(単位:千円)
- 全科目免除 1科目受験 2科目受験 3科目受験 全科目受験 合計
人件費 全員共通費用 179 3,915 5,257 5,560 4,286 19,197
1~4科目受験者
共通費用
0 8,427 11,314 11,968 9,226 40,935
受験科目数に
より異なる費用
0 1,304 3,501 5,556 5,710 16,071
合計 179 13,647 20,071 23,084 19,221 76,201
物件費 印刷費 40 1,649 2,214 2,342 1,806 8,0521
会場費 0 1,430 1,920 2,031 1,566 5,308
通信費 19 1,089 1,462 1,546 1,192 5,308
広告宣伝費 1 21 29 30 23 105
出張旅費 0 82 111 117 90 400
交通実費 4 175 235 248 191 853
固定資産取得費 36 1,085 1,457 1,541 1,188 5,307
人当庁費等 453 10,421 13,990 14,799 11,408 51,071
合計 554 15,952 21,416 22,655 17,463 78,402
その他 減価償却引当金 24 560 752 795 613 2,274
合計(a) 757 30,159 42,239 46,534 37,298 156,987
想定処理件数(b) 約80 約1,800 約2,400 約2,600 約2,000 約8,900
1件あたりの費用(a/b) 約9,500円 約16,600円 約17,300円 約18,000円 約18,700円 -
※人件費の算出内訳
 総人件費(76,201千円)を総作業時間で割った時間単価を算出し、各作業時間をかけて人件費を算出。
 作業内容は、以下のようになっているそうです。
○全員共通費用
広報・宣伝、申請書受付、試験結果作成・送付等
○1~4科目受験者共通費用
受験票作成、試験実施の準備・立ち会い等
○受験科目数により異なる費用
試験問題作成