電気通信主任技術者国家試験

平成12年度第1回

専門:データ通信


問1

LANに関する次の問いに答えよ。

(1)次の文章の(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選び、その番号を記せ。
ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

データ伝送において、アクセス制御方式の一般的な例として拳げられるものに、コンテンション制御方式とポーリング制御方式とがある。LANにおいては、( ア )と( イ )とがあり、おおまかにいって、( ア )はポーリング制御方式に相当し、( イ )はコン
テンション制御方式に相当する。
( ア )では、( ウ )を保有しているステーションだけが送信者になることができる。( ウ )をステーション間で巡回させることによって、送信権は各ステーションに平等に与えられる。( ウ )による送信権付与というプロセスによって、( エ )上でのデータの
衝突は回避される。一方、( イ )は( オ )信号の有無を感知して、信号がなけれぱいつでも送信できる方式である。
したがって、各ステーションは随時( エ )にアクセスできることになり、データの衝突が避けられない。衝突が起こったことをできるだけ早く検出し、その後のデータの再送出をうまく工夫したのがイーサネットである。これは、一般にはCSMA/CD方式といわれる。

(語群)
(1)搬送波  (2)インターネット (3)トークンパシング方式
(4)MH方式  (5)変調波     (6)PCMCIAカード
(7)データベース(8)トークン    (9)ゲートウェイ
(10)共用伝送路  (11)トポロジ  (12)CSMA方式

(2) 次のA〜Dの文章は、LANの伝送方式に使用されているベースバンド方式とブロードバンド方式とについて述べたものであろ。(   )内に最も適した語句を次ページの解答群から選び、その番号を記せ。

次のA〜Dの文章は( カ )。

Aベースバンド方式は、伝送チャネルを複数設定でき、伝送距離も比較的長いので大規模
なLANに用いられる。

Bベースバンド方式は、端末が送信すべきデータを符号化し、変調せずにLANの伝送速
度に対応したディジタル信号により、直接LANへ送出する伝送方式である。

Cブロードバンド方式は、符号化されたディジタル信号を変調し、搬送波に乗せて通信を
行う伝送方式である。

Dブロードバンド方式は、単一チャネルを使用し、原信号を他周波数帯域に移すことなく
送出して通信を行う伝送方式である。
 

((カ)の解答群)

(1)Aのみ正しい(2)Bのみ正しい(3)Cのみ正しい
(4)Dのみ正しい(5)A、Bが正しい(6)A、Cが正しい
(7)A、Dが正しい(8)B、Cが正しい(9)B、Dが正しい
(10)C、Dが正しい(11)A、B、Cが正しい(12)A、B、Dが正しい
(13)A、C、Dが正しい(14)B、C、Dが正しい
(15)A、B、C、Dがすべて正しい(16)A、B、C、Dのすべてが正しくない

(3) 図は、伝送速度6[Mbit/s]の容量を持つイーサネットにおいて、実効伝送容量の変化に対する応答時間の変化を示した一例である。
下記の(i)、(ii)及び(iii)の場合において、システムは、端未からのアクセスの衝突及びメッセージ等のそ通に関して、どのような状態を示すか、それぞれ簡潔に説明せよ。

(i)実効伝送容量が1〜2[Mbit/sj近辺の場合

(ii)実効伝送容量が3〜4(Mbit/s]近辺の場合

(iii)実効伝送容量が5[Mbit/s]以上の場合

(4)伝送速度が100[Mbit/s]、衝突検出時間が4[μs]であるCSMA/CD方式のLANにおける最小フレーム長は80オクテットであるという。このLANの最大ケーブル長を、算出過程を示して求めよ。ただし、ケーブル内伝搬速度は、3×10[m/s]とする。


問2  インターネット等に関する次の間いに答えよ。

(1)次の文章の(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選ぴ、その番号を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

OSI参照モデルは( ア )構成であるが、インターネットプロトコルの階層化モデルは4階層構成である。これらOSI参照モデルとインターネットプロトコルについては、階屑化構造の対比説明が、しぱしぱ、試みられる。
インターネットプロトコルの階層を下位層から見ていくと、おおむね、OSI参照モデルの第一、第二層に相当するLAN/WANの階層、OSI参照モデルの第三層に相当するIPや( イ )などの階層、OSI参照モデルの第四層に相当する( ウ )と( エ )の階層、最後にOSI参照モデルの第五、六、七層に相当する( オ )の階層となる。
しかしながら、例えば、インターネットプロトコルの( オ )層は、下位層として( エ )を用いた通信では、第四層の機能を包含しているものもあり、一概には、上記の階層についての比較説明ができない場合もある。すなわち、インターネットプロトコルは、階層構造等において、必ずしも、OSI参照モデルと密接な関連性は保たれていないといえる。
インターネットの技術標準等については、主に、( カ )で策定されている。ここでは、LAN/WANの関連標準等のように、他標準団体で定義されている標準についても、良いものがあれば積極的に取り入れて行くという傾向が見られる。

(語群)
(1)TCP(2)SQL(3)5階層(4)PAD
(5)UDP(6)CMP(7)7階層(8)8階層
(9)ファイヤウォール(10)アプリケーション
(11)IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)
(12)IETF(Internet Engineering Task Force)
 

(2) 次の文章は、インターネットで主として使用されているIPアドレスに関する記述である。これらの記述で、正しいものと誤りのものとを分類して、それぞれ、その番号を記せ。

(1)IPアドレスは、64ビットで構成されている。
(2)LAN内では、ホストはARPを用いてIPアドレスからMACアドレスを取得する。
(3)IPアドレスのクラスAでは、先頭2ビットが”10”で始まる。
(3)IPアドレスは、すべてのクラスにおいて、ネットワークアドレスとホストアドレスとの二
つの構成要素を持っている。
(5)マルチキャスト通信には、クラスDアドレスが用いられている。

(3) IPデータグラムの生存時間の処理について、次の問いに答えよ。

(i)IPデータグラムのへッダにはTTLフイールドがあるが、この使用目的について、簡潔に説明せよ。

(ii)ルータでは、パケットを転送するとき、TTLフイールドの内容をどのように処理するか、簡潔に説明せよ。

(iii)ルータがIPパケットを廃棄する条件を一つ挙げよ。

(iv)パケットを廃棄後、ルータはどのような後処理を行うか、簡潔に説明せよ。
 

(4) 次の問いに答えよ。

OSl参照モデルのネットワーク・サービスにおいて、コネクション形とコネクションレス形とについて比較し、それぞれの長所を一つ挙げよ。


問3

パケット通信に関する次の問いに答えよ。

(1) 次の文章の(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選び、その番号を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

パケット形態端未は、パケット交換網との間に複数の( ア )を見かけ上同時に持ち、それぞれの( ア )に対して呼を設定することによって、複数の相手端末と通信を行うことができる。
呼の設定は、発呼要求パケット、着呼パケット、( イ )パケット、接続完了パケットの四つのパケットにより行われる。発呼要求パケットは使用する( ア )を指示するLCGNとLCNやウ、さらに、発呼端末の加入者番号等の情報を持っている。
付加情報としては、( エ )などを指定するファシリティ及び最大( オ )までユーザが任意のデータを挿入できる( カ )等がある。なお、着呼パケットのLCGNとLCNの内容は、発呼端末が送出した発呼要求パケットのLCGN、LCNそれぞれの内容と( キ )である。

(語群)

(1)64オクテット(2)128オクテット(3)256オクテット
(4)発呼受付(5)診断符号(6)全く同一
(7)全く無関係(8)ウインドウサイズ(9)通信端末
(10)論理チャネル(11)着呼端末の加入者番号(12)クリアユーザデータ:
(13)着呼受付(14)ブロトコル(15)コールユーザデータ
 

(2) 次の文章は、着呼端末が着呼を拒否する場合の処理についての記述である。下線を施した箇所について、誤っている項目の番号を挙げ、その誤りを正しく記せ。ただし、パケットの名称は略号だけでもよい。

(1)着呼端末は、着呼受付(CA)パケットを綱へ送出する。
(2)網は、発呼要求(CR)パケットを発呼端末へ送信し、着呼が拒否されたことを発呼端末へ知らせる。
(3)発呼端末は、復旧確認(CF)パケットを網へ送出して呼の切断を行う。
 

(3) 図は、パケット通信システムのフロー制御の効用について、負荷とスループットとの関係を概念的に示したものである。
フロー制御の採否による観点から、曲線Aを示すシステムと曲線Bを示すシステムについて、それぞれの特性の違いを簡潔に説明せよ。また、D点が示すシステムの状態を何というか、併せて記せ。

画像2

(4) 次の文章の(   )内に最も適した語句を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

パケット交換網では、パケット単位に蓄積交換をするため、場合によってはシステムダウンや( ア )処理がうまく実行できない結果、パケットが( イ )することがある。このため、そのまま通信の続行ができなくなった場合、網や端末は異常状態を相互に通知し、送信( ウ )受信( ウ )を初期設定して、通信を再開する必要がある。
このようなことを目的として( エ )パケットがある。また、システムの処理開始、再開のときなどは、一度に多くのバーチヤルコールを切断したり、( オ )を初期設定する必要があり、そのために、リスタートパケットが規定されている。
 


問4 コンピュータシステムの構築に関する次の問いに答えよ。

(1) 次の文章の(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選ぴ、その番号を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

システム開発は、一般に、( ア )、外部設計、内部設計、製造、テスト、移行、運用・保守体制の整備といった工程で行われる。システム設計の最初の段階では、( ア )において、ユーザがこのシステムに何を期待しているかを明確にし、コスト/効果分析や制約条件を考慮した上で、( イ )を機能仕様に変換する。
第二ステップの外部設計では、例えば、機能、( ウ )、性能、( エ )などを正確に記述する。内部設計は詳細設計ともいわれ、その主な作業はシステムの内部構成の定義である。すなわち、システムの構造、データファイル、プログラム機能、システムの性能/容量、制御の流れ、データの流れ等の設計であり、そして、それらの間の( オ )を明確にする作業である。

(語群)
(1)DNIC(2)COBOL言語(3)調査・分析
(4)信頼性(5)知的財産権(6)入出力条件
(7)監査(8)マルチベンダ(9)コンピュータウイルス
(10)標準化(11)システム要求(11)インタフェース

(2) 次の文章は、データフローダイヤグラム(DFD)に関する記述である。これらの記述で、正しいものの番号を記せ。

(1)システムのデータの流れに着目し、システムを論理的、抽象的に、かつ、階層的に、図的にモデル化することで、システムの分析を行う技法である。
(2)データの構造を、データの持つ意味、利用する目的、データ間の関連性といった面から分析し、表現する図的手法である。
(3)表現の主体は、エンティテイとエンティテイ間の関係である。
(4)その表現方法から、バブルチヤートともいわれる。
(5)モデル化するときの基本的な構成要素は、データの源泉/行き先、処理、データフロー、
データの記憶等から成る。
(6)データ量、処理時間、担当部署、伝票の流れ等の要素が含まれる。

(3) システム構築の手法として、帰納法と演繹法とがある。次の文章の中で、帰納法と演繹法について、それぞれの特徴を表しているものを選ぴ、それらの番号を分類して記せ。

(1)比較的大規模なシステム閉発に適している。
(3)目的に浴った、効率の良いシステムを構築することが可能である。
(3)顧客の意向を常に反映する形でシステムを構築することが可能である。
(4)改良や発展を続けて行くとシステムがつぎはぎになり、整合性が悪く、効率の低いものに
なりやすい。
(5)別名ウオータフォールモデルといわれる。
 

(4)帰納法の代表的なものであるプロトタイピング設計法について、簡潔に説明せよ。


問5 ATMに関する次の問いに答えよ。

(1) 次の文章の(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選び、その番号を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。

ATMプロトコルの一般的なレイヤ構成は、上位から見ると、上位レイヤ、( ア )レイヤ、ATMレイヤ及び( イ )レイヤの四つのレイヤから成っている。( ア )レイヤは、種々なアプリケーションのデータについて、ATM側のセルに含まれ、統一的に取り扱われる( ウ )バイトのユーザ情報との整合・調整を行う。
ATMレイヤでは、( ア )レイヤで構成した( ウ )バイトのデータに、VPIやVCI等の( エ )バイトのあて先情報を付加し、これらの( オ )バイトを固定長の単位セルとして情報を扱う。
( イ )レイヤは、最も下位のレイヤである。ITU-T勧告I.432では、伝送媒体として電気的な方式か、光による方式かといった媒体に依存する部分を( カ )で、また、両者に共通するものをTCとして規定している。セルを分解し、アプリケーションのデータを組み立てる処埋の流れは、上記とは逆に下位レイヤから上位レイヤへの方向となる。

(語群)

(1)5(3)16(3)32(4)48
(5)53(6)64(7)96(8)PMD
(9)MAC(10)PLS(11)AAL(12)物理
(13)論理インタフェース(14)データリンク
(15)光インタフェース

(2) VP(Virtual Path)コネクションとVC(Virtual Channel)コネクションとは、どの範囲のコネクションを示すか、それぞれ、簡潔に説明せよ。

(3) ATM交換機が行うトラヒック制御の中で、CAC(Connection Admission Control)とUPC(Usage Parameter Control)とは、どのような制御を行っているか、それぞれ、簡潔に説明せよ。

(4) ATMでは、保守運用管理のためにOAMプロトコルが用意されている。次のA〜Dの文章は、OAMブロトコルの機能の一部を説明したものである。(   )内に最も適したものを、次ページの解答群から選ぴ、その番号を記せ。

次のA〜Dの文章は、( キ )。

A故障の通知を行う。
Bふくそう通知を行う。
Cサーピスレベルのネゴシエーションを行う。
D性能試験を行う。

((キ)の解答群)

(1)Aのみ正しい(2)Bのみ正しい(3)Cのみ正しい
(4)Dのみ正しい(5)A、Bが正しい(6)A、Cが正しい
(7)A、Dが正しい(8)B、Cが正しい(9)B、Dが正しい
(10)C、Dが正しい(11)A、B、Cが正しい(12)A、B、Dが正しい
(13)A、C、Dが正しい(14)B、C、Dが正しい
(15)A、B、C、Dがすべて正しい(16)A、B、C、Dのすべてが正しくない


間6 ISDNに関する次の問いに答えよ。

(1) 次の表は、基本ユーザ・網インタフェースの各層において、代表的な、要求される条件とそれを満足するための機能等を対比させたものである。
(   )内に最も適した語句を、下記の語群から選ぴ、その番号を記せ。ただし、(   )内の同じ記号は、同じ語句を示す。
 
 
  要求される条件 具体的な機能等
レイヤ1 ・複数端末の収容 ・バス形式
・端末の( ア ) ・標準ジヤック
・Dチャネルの共同利用 ・アクセスの( イ )
レイヤ2 ・複数端末の収容 ・複数( ウ )の設定
・Dチャネルの共同利用 ・全端末への放送形通信
・端末の( ア ) ・アドレスの自動付与
レイヤ3 ・複数端末の収容 ・( エ )
・通信可能性の確認 ・端末の( オ )の転送
   

(語群)

(1)ポータピリティ(2)標準化(3)論埋リンク(4)サーキット
(5)チャネル制御(6)競合制御(7)OS情報(8)属性情報
(9)マルチポイント着信手順(10)マルチポイント送信手順

(2)基本ユーザ・網インタフェースにおいて、フレーム同期機能について、次の文章の(   )
内に最も適した諾句を記せ。

NT(綱終端装置)とTE(端末)間インタフェースでは、チヤネル速度が64[kbit/s]のB
チヤネル2本と16[kbit/s]のDチヤネル1本が( ア )で多重化されている。しかし、実
際の物理的なインタフェース速度は、これら2B+Dのチャネル情報に加えて、同期や付加制御
用の信号も含むため、192[kbit/s]の転送速度を有している。
これらの信号は、( イ )[μs]の周期で繰り返される( ウ )ビットから成る単位フ
レームに格納されて転送される。多重化されたチヤネルを識別するためのフレーム同期信号は、
フレームの先頭にあるビットである。
フレーム構成については、通信形態が( エ )構成の場合及び( オ )構成の場合も同様
である。
 
 

(3)次のA〜Cの文章は、Dチヤネルアクセス手順について述べたものである。(   )内に最
も適したものを、下記の解答群から選び、その番号を記せ。

次のA〜Cの文章は、( カ )。

A Dチャネルアクセス競合制御の仕組みは、複数のTEが同時にDチヤネルヘアクセスを行った場合、それぞれのTEは自己が送出したDチヤネル信号の内容と、C/Rビットで受信した信号内容とをチェックし、それが同一のとき、そのTEは信号送出を途中で断念する。
これにより、最終的には、一つのTEの信号のみが送出を完了することになる。

B Dチヤネルでは、Bチヤネルの制御用信号等の交換制御を行う呼制御信号は、Dチヤネルパケット情報に対して優先して転送される。

C 同一の情報種別でも、Dチヤネルアクセスの権利の獲得において、優先順位が設けられている。
すなわち、標準レベルと低位レベルを設け、一度、Dチヤネルにアクセスして送信できたTEは、低位レベルから標準レベルに移り、このTEの送信の方が同時に他のTEからの送信要求がある場合でも、優先される。

((カ)の解答群)
(1)Aのみ正しい(2)Bのみ正しい(3)Cのみ正しい
(4)A、Bが正しい(5)A、Cが正しい(6)B、Cが正しい
(7)A、B、Cのすべてが正しい(8)A、B、Cのすべてが正しくない

(4) LAPDにおけるサービスアクセスポイント識別子(SAPI)の機能について、簡潔に説明せよ。


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