こんな方におすすめ

電気通信主任技術者資格は、電気通信という性質上、さまざまな分野の技術が組み合わされているので、広く技術を学ぶには適した資格と思います。

ここでは、どのような方が資格取得に向いているのか、あるいは、取得しやすいのかを、参考として紹介していきたいと思います。

1.電気通信事業にかかわる方

電気通信事業者をはじめ、通信建設会社、装置メーカ、保守運用の委託先企業など直接、電気通信事業にかかわっている方は、 業務に必須の場合もありますので、取得をお勧めできる第一候補です。

企業によっては、資格取得の奨励金や手当が出る場合もありますので、ぜひ社内規定などを確認してみてください。私の勤め先でも奨励金が出ています。

電気通信事業といっても幅は広く、意外な所ではCATV会社でも必要な場合があります。そのため、間接的にかかわる 放送事業分野の方も受験されている場合が多いようです[*]。

[*]年間受験者5千人中、CATV勤務者は3〜4百人程度と報告されている(H21年2月総務省IPネットワーク管理・人材研究会報告書p39)

2.理系学生(主に大学生)

学業第一ではありますが、大学で受験を奨励している場合があります。また学科によっては電通主任の基礎科目免除が効く場合がありますので、ぜひ調べてみてください。

免除認定校検索[(一財)データ通信協会]

ただし、「電気通信事業者に勤めたいから取る」という狭い目的でのみの取得は、熟考が必要と思います。個人的には学生時代に安易な考えでの取得はお勧めしません。(勢いで取るなら問題なしかな)

(参考)最年少取得者は不明ですが、高校生でも取得している例が確認できます。例えば、佐賀県立鳥栖工業高等学校で現役高校生(2年生)での合格者を輩出しています(日本データ通信協会報No.179より)

3.他資格を得るための免除を取得したい方

(関連情報:他資格との関連)

陸上無線技術士弁理士など、他資格を狙うのに免除を必要とする方にお勧めします。 むろん、類似資格である工事担任者も免除がかなり効きますが、難易度は逆のため順序的にはあまり推奨できません。

とは言うものの、私自身も含め、工担を後から取得する方も結構な数がいらっしゃるようです。 特に時間を節約したい場合には、そういった取得ルートも視野に入れることができます。

ただし、総合通信局の地域によって電通主任資格の発行が遅れがちな場合もあり、合格直後の回の申請に間に合わないケースも多々ありますので、 スケジュールを立てる際には注意が必要です。(関東圏は厳しいことが多い模様。)

第1級陸上無線無線技術士(1陸技)では「無線工学A」と「無線工学の基礎が」が免除できるただ一つの資格です。(伝送交換種に限る。) これは以前からよく利用されるルートですが、情報系から学び始めた方が無線従事者の資格を取る際には、かなり有利な条件となります。

4.電気通信資格を極めたい方

「通信系」資格を制覇したい方に良くみられます。ある意味資格マニアといえるでしょう。 幾つかの意見はありますが、電通主任は古くから通信系5大資格の常連として捉えられて来ました。

第1級陸上無線技術士
第1級総合無線通信士
工事担任者総合種
ネットワークスペシャリスト
電気通信主任技術者

近年では、これらの他にもCisco系資格やドットコムマスターなど、ベンダー系や民間系試験も含まれてくると思います。もちろん現役エンジニアとして得ることも多いでしょうが、生涯学習の一環としてチャレンジされている方も多いようです。

[*] 他に1陸技・総合種・ネスペ・電通主任・技術士(電気・電子/情報)で五大資格という場合も。

5.電気通信のキャリアアップ

これからの情報通信社会の発達から考えて、基本的な知識は身につけておきたいもの。

社内ではLANがあたりまえ、家庭ではブロードバンドにIP電話、携帯・スマホは肌身はなさず・・といった社会において、 基礎知識を身に付け、かつ資格まで持っているならこれ以上言うことは無いでしょう。

アプリ面に偏りがちな情報通信の勉強ですが、電通主任ではハードも含めて学べるのが利点です。 ただし通信初心者には難易度が高めですので工事担任者からの挑戦がよいでしょう。

通信は常に大きく進化しているため、遅れないように勉強するのは大変ですがあなたの通信技術能力が磨かれることと思います。

6.他資格を既にお持ちの方へのおすすめ

既に、幾つかの資格を手にされた方は、電通主任の免除科目があったり、あるいは学習範囲が 似通っている場合があります。どんな資格をお持ちの方が電通主任の受験に向いているか解説します。

6.1 無線従事者の取得者

無線技術は電気通信の根幹をなす基礎分野のひとつで、欠かすことが出来ないものです。加えて電通主任では「無線」科目も設定されており、無線従事者との親和性が非常に高いといえます。

上級の無線従事者では試験科目の一部免除(最大2科目)が得られますし、 また、無線従事者としても、携帯電話などの移動体通信や、衛星通信、無線LANなど ネットワーク全体を学習するのにはもってこいの資格であると思います。

6.2 工事担任者の取得者

有線通信分野の雄−工事担任者は電通主任の小型版ともいえる資格です。 電通主任の基礎科目免除も受けられますし、さらに広く深い分野も勉強できて一石二鳥。 工担の1種や総合種をお持ちの方が次に目指す資格には、電通主任がお勧めです

6.3 ネットワークスペシャリスト等の取得者

独占的業務はないものの、ネットワークスペシャリストは通信系情報処理試験の最高峰です。 最近は、電気通信事業もIP系通信の比重が高くなってきた関係上、ネスペの分野と相当に範囲が重なるようになってきており、 従来からの信頼性分野に加え、IP系の知識、情報セキュリティなど、学習負担が非常に軽くなってきました。

ベンダー系資格(CCNA、CCNP等、ドットコムマスター等)でも、同様の傾向にありますし、専門科目に「データ通信」を選択すれば、過去問演習を繰り返すことで合格できるといわれます。ただし、免除は一切ありません。

その一方、情報処理試験は基本的に電気・電子など物理レイヤ以下のハードウェア的な知識はさほど要求されませんので、これに箔を付ける意味で、電通主任の取得がお勧めです。

工事担任者と併せて取得すると電通主任の基礎科目免除が受けられますので、こちらの方から地道に攻めて行くこともお勧めです。

6.4 電験(電気主任技術者)等の取得者

電力設備は電話と同じインフラで親和性があり、電柱設備などを生かした通信事業が展開されてきました(いわゆるパワーネッツ系)。 強電技術者にとっても、機器の制御などは通信で行うことも多く、通信は欠かせない知識となっています。

電通主任には「通信電力」という電力技術者向きズバリの科目もあり、しかも電験の試験分野と重なる部分が多いため受験がしやすい資格です。

それ以外にも線路主任技術者とも重なる部分が多いのも魅力。やはり同じ「電柱」と「線」を扱うことから来る共通点だからでしょうか。

もちろん通信設備には必ず電源系が必要。受配電設備や整流装置あるいは自家発電装置が備えられているので貢献度も大です。